確定申告で気付いた米国ADR投資の注意点

投資・マネー

ADRの配当金税率はそれぞれの本拠地によって異なる

確定申告で、外国株投資の配当金にかかる二重課税を取り戻すため、外国税額控除の申請を進めている中でふと気付いたことがあります。

国外で課税される税率について米国株は皆一律10%を源泉徴収されていたのですが、昨年購入した世界的ビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(以下ABインベブ・ティッカーシンボル:BUD)の配当金には27%も課税されているんですよね。

ABインベブの株は米国上場のADRで投資をしておりますが、ADRの場合、その企業の本拠地のある租税地の税率が適用され、米国では非課税となりますので、ABインベブの配当金は、本社のあるベルギーの税率が適用されるということになります。

また、実際に配当金を受け取る際はNISAでない限り、日本においても20.315%が課税されて支払われますので、ABインベブの場合、手取りはなんと58%ちょっとしか残りません。

 

もちろんABインベブが本社多くベルギーも、日本との租税条約締結国ですので、二重課税分は確定申告で申請すれば一部取り返すことはできます。

ただし、外国税額控除は外国で納付した外国税額を一定の範囲で税額から控除する、という仕組みのため、徴収された外国税額を全額取り戻せるわけではありません。

しかし「面倒だから」と言って、二重課税されてしまっている分を取り戻さないのは大損ですから、外国株投資をしている人で配当金の受け取りのある方は必ず確定申告された方がいいでしょう。

 

なお、ABインベブの場合、本国で27%、日本で20.315%課税されますので、NISA口座(日本の課税分が非課税)よりも、特定口座で購入し、確定申告で外国税額控除を申告する方が税金的には安くなる気がしますが・・・確証はありません。

(外国税額控除は「外国税額控除限度額 = 米国の税金を引かれた後の配当金 × (その年の所得税÷その年の所得総額)」ですので、外国税分が全額戻ってくるわけではないですから、んなわきゃありませんね。追記・訂正:2017年2月28日)

これまで米国ADRは、カントリーリスクの分散を目的に投資をしてきましたが、その企業の本拠地のある国の税率も、少し気にした方がいいのかもしれません。

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