靴を磨く
昔プレゼントで貰った靴が光沢を失ってきていたので、合間を縫って靴を磨くことにした。
靴を磨いていると物を大切にする気持ちが呼び起こされる。
手順としてはこうだ。まずブラシでほこりを落として、リムーバーで余計なクリームを落とし、下着を裁断した生地で改めてクリームを塗布する。コバにも使い古しの歯ブラシを使ってクリームを塗って補色し、革底にもミンクオイルを塗って保湿する。高校野球を見ながらビールを飲んで、早稲田実業対中京大中京の試合を温かく見守り、試合終了を確認してから玄関に戻り念入りにブラッシング。360度全方向から状態を確認して最後にクロスで磨き込む。ポリッシュはせず、革に油分を与えることに専念。鈍く光ったのを確認して終了。
ちょっとしたことだけど、日々手をかけて長く付き合っていくことは非常に大切なこと。靴が増えて手が回らなくなるくらいならいっそのこと他人に譲った方がいい。人生を豊かにするために物はある。際限なく数を増やしてもある一定のところで豊かさは止まってしまう。数ではなく質。そして、そのものの持つべき目的を全うさせるように使用する自分たちの行為でも豊かさは大きく変わってくる。
靴には、「足元を見られる」という言葉のあるように人を見る基準ともなり、服装の要所でもある。さらに仕事で履くため、長時間履いても疲れない靴が日常生活を大きく助けてくれる。また、革は手を掛ければ掛けるほど、味が出る。いぶし銀な光沢がどれだけ手を掛けてきたかが分かる。
まだまだ尽きないが、それだけ手をかける意味がある。ならばケアできないほど所有しないことが賢明だ。それはどこか株式にも似ている。日常フォローできないほどの銘柄を所有するな。
以上、今後の自分に十戒の意味を込めて。
2010年8月15日