【本】金持ち父さんのお金を自分のために働かせる方法

20130423-01

リーマンショック、東日本大震災を経た今も著者の主張は不変である。ファイナンシャル教育の重要性を説き、真の分散投資を提唱し、アンテナを張り巡らせ考えるだけでなく実際に行動に移すよう読者に語り掛ける。そして景気や政治、社会保険や税金に人生を左右されないための知恵と富を築き、信頼すべきは何者でもない自分自身であることを訴えかけている。

シリーズを重ねるたびに同じことを繰り返し説く内容に、「また同じことを」と笑う読者もいると思う。しかし、楽であり安定的ではあるがどこか居心地の悪い今の閉塞的な環境に置かれた自分にとって、キヨサキ氏が読者に問いかけに対し、自分は行動に移さず考えるだけ、いやそれ以前に真剣に考えることすらしていないのでは、と思いつく。自分はまだスタート地点にすら立つことを放棄しているのではないだろうか。

行動に移すことを前提とした「考える」という過程は殊の外体力を使う。ある意味行動するよりも重労働だ。無から創造する苦労を思うと考えることをエスケープする人の方が大半だろう(書く言う自分もまさにそうだ)。しかし、実際に苦労して考えた人にはその後の行動が伴う。行動の結果がどのようなものだったにせよ、そこには行動の伴わない人との間に歴然とした大きな差が生まれる。

この本の中で自分が特に関心を持ったのは真の分散投資について。キヨサキ氏の唱える真の分散投資とはこうだ。

  • 自分の興した不労収入を生む事業
  • 定時キャッシュフローを生む不動産
  • 上げても下げても儲かるペーパーアセット
  • リスクヘッジのためのコモディティ

このうち2つはプロ並みになる必要があると言う。ペーパーアセットについては現在取り組んでいるが、自らのビジネスを持つこと、不動産を所有すること、コモディティでリスクヘッジすることについては、検討してみたことすらない。試みたことはあったかもしれないが、どちらにせよ途中で放棄した。検討する以前に知識がなく土俵にすら上がることはなかった。しかし、知識を持てば選択肢は広がる。あるもので判断するのではなく、走りながら学べばいい。今ならまだそう思えるだけのポジティブな考えとフットワークの軽さがある。これは自分にとって救いだ。

貨幣価値が希薄化し続ける現在、ペーパーアセットの中だけで分散投資というのは真の分散投資をしても意味がないことは理解できる。真の分散投資について常に可能性を模索し、失敗を恐れずトライ&エラーを実践する。まずは行動に移すことを前提に考えなければスタートすら切ることはできない。年金をはじめ、国や政府に頼らないためにはこれからどう行動すべきか、将来を真剣に考え、重い悩むことは今だからできることであり、今しかできないことでもある。そんな気がしている。

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そんなわけで関心の赴くままに勉強をはじめました。まずは不動産とコモディティ。「金持ち父さん、貧乏父さん」は読み古した内容だけれども、いざ行動するのを前提として読むのと、単なる読み物としてでは、感じ方も全く異なることを実感しました。そこには30歳を過ぎての自らの危機意識があるような気がします。主張は変わらずとも読み手の環境によって感じ方も変わる、目的意識の重要性を今更ながら感じています。現在の自分を取り巻く閉塞感と理由のない安心感に対し警笛を鳴らすには十分な内容でした。

それではまた!

金持ち父さんの お金を自分のために働かせる方法

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