【CD】Travis Bretzer/Waxing Romantic

音楽・カルチャー

春の空気にはロマンチックな音楽を

いつものように視聴機に向かい、プレイボタンを押して流れ出すイントロ。その中に何かが始まるような、胸の高鳴りを覚える1枚がありました。

それと同時に感じた、どこか懐かしい感覚。それが何かを、音楽に耳を傾けながらずっと思い返していました。

そして、ふいに頭によぎった、The La’sの “There She Goes”。「あっ、ラーズだ」と(異論は甘んじて受け入れます)。

もちろん今日はラーズではなく、Travis Bretzerの新譜について書きたいと思います。

 

20150304-01

 (Travis Bretzer/Waxing Romantic)

カナダ発、Travis Bretzerのファーストアルバムとなる今作は、24歳とは思えないほど完成された世界観に満ちています。

今となっては少し照れ臭くなるような、懐かしいメロドラマを見返すように、切なくもピュアな音楽が鳴り響く。

上手く言えないけれど、これを聴いて「ロマンチックってカッコイイものだ」と実感しました。その音楽を聴いてもらえれば少しは伝わるはず。

 

 (Travis Bretzer/Lonely Heart)

キラキラしたディレイと粗いオーバードライブの音に包まれて、優しくも時折ちょっと影を落とすロマンチックな歌声は、まどろみながらずっと聴いていたくなります。

 

20150304-02

(ロマンチックってカッコイイ)

内省的でインディーズライクな香りがプンプンして、否応なしに懐かしい思い出がフラッシュバックする感じがとても素敵だなぁと。

人は何かとすぐに思い出の中へと逃げ込みたくなるものですが、まるでそんなセンチメンタルな気分を呼び起こすスイッチみたい。

スカッとは晴れない春の雨のような印象を受け、この季節・今の気分的にそっと寄り添いました。

出会いと別れ、間もなく訪れるそんな季節と音楽がシンクロしたのかもしれません。

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