手にした瞬間から衰えていく
家でもモノでも、なんでもそうだけど、買った瞬間から段々価値が失われていく。
見栄を張らず最低限の物さえあれば大抵は生活できる。汚くても問題なく動く車、賃貸だけど二人で住むには十分な家、一人暮らしの時から使っている小型の家電3種の神器。
ただ便利なモノに囲まれるのではなく、如何に効率よく大切に使うかだと感じる。費用対効果と、どれだけ長く使っていけるか。オーディオプレイヤーが壊れ、パワーアンプの調子が悪くても、使えないと開き直れば生活に支障はない。結局なくても問題ない贅沢品だったんだと思う。そして贅沢品ほどすぐに壊れる。高級家電に囲まれた生活は、斬新で洗練された高層ビル群の中で生活をしているようで息が詰まる。
エコポイント。確かに消費電力が下がり、二酸化炭素が少なくなるかもしれないけど、使える物を捨ててまでは買わない。買えない。一度背伸びをして手にすると癖になる。新製品や時代を追わないと決めれば、楽になる。もっと気持ちを豊かにすることにお金を使うことができる。
結婚をして、一年が経ち、最近満たされているなぁと感じた時から、人生の充実感は家やモノではなく、今を楽しむことだと気付いた。そしていずれ迎えるさまざまな出来事への準備を考えるようになった。モノを買っても根本的な人生の向上には繋がらない。
壊れても買い替える気にはならないモノを眺めて、結局は自己満足だったと気づき、自嘲する。
2010年4月15日