【本】「普通の人」が「日本株」で年7%のリターンを得るただひとつの方法
やっぱり日本株!
独立系投信であるコモンズ投信の代表的なファンド「コモンズ30」については以前私も積み立てをしていました。銘柄選びの目線は投資を考える上で大変参考になるとともに、市場を上回る高いリターンを上げており、その運用方法には大変感銘を受けました。現在では個別銘柄への直接投資で十分分散投資できていることから解約をしましたが、その運用成績や投資先など、常に気になる存在です。そんなコモンズを率いる井伊社長の著書を読みました。日本株を見直すきっかけになるとともに、日本株のアセットクラスの割合が飛び抜けて高い自分にとっては励まされる内容でした。
- 「普通の人」が「日本株」で年7%のリターンを得るただひとつの方法/井伊哲朗(講談社)
先行き不安の多い日本に投資することにリスクを感じている人にとって(自分を含め)、TOPIXで外国の株価の成長と比較するのは無意味さや、これだけ世界がグローバル化した中で、本社が日本にあるというだけで投資対象から外すことがいかにナンセンスであることなど、日本株に対する悲観論を払しょくするだけでも読む価値はあるように思います。
これだけ世の中で分散投資が叫ばれる中、外国市場に目を向けるのは確かに必要ですが、日本に居を構えている以上、やはり日本株が一番の投資先であり、その懸念されるリスクを論破しています。確かに外国アセットに手を出すことは情報面、為替、カントリーリスク、手数料、税金など、様々な点で考慮しなければならないことが多く(というか多過ぎる)、個人的には日本の成長に関しての不安を除けば、自分で情報を集めやすい日本株が最も安心であることに疑いの余地はありません。
また、投資信託やETFでは、少なからず手数料がかかり、また中身も見えにくい中で、国内株式であれば直接投資も容易であり、その管理や判断に伴う機動的処置もタイムリーに実施することができますし、海外に投資をするのではなく、グローバルに展開する企業に投資することで、間接的に海外成長に投資するという考えも大いに参考になりました。玉石混淆の日本株ですが、成長企業はまだまだたくさんあり、しっかり見極める目を持てば、むやみな分散投資に走らず、十分なリターンを上げられるでしょう。現在、日本株が多くを占める自分のアセットアロケーションですが、励まされ、自分の投資方法にも自信が持てた気がします。
また、同氏は分散投資の投資先として、日本株以外に新興国株とJ-REITを挙げています。新興国については国の成長に投資することでリターンが見込めるので、銘柄選定の必要はなくインデックスで良いということ。J-REITは配当(インカムゲイン)狙いで、できれば直接投資すべきと説いています。また、安心できるのは時価総額の大きい不動産系、不況に強い住宅系が安定的で狙いだということ。不動産投資を考えている自分にとって、勉強のためにもJ-REITは検討してみたいを思っています。
自分は日本株信者ではありませんが、わからないものには投資をしない考えからすれば日本株が中心になるのは仕方がないことだと、一種の妥協のようにも考えていましたが、考えを前向きに考えるいい機会になりました。もちろん、この極端なアセットアロケーションのままでいいかどうかは別問題ですが、日本株に対する悲観論がぬぐえただけでも大きな収穫だったと感じています。
「普通の人」が「日本株」で年7%のリターンを得るただひとつの方法(書籍と電子書籍のハイブリッド書店【honto】※旧オンライン書店bk1 ¥1,365)
2013年7月2日