【CD】Small Circle of Friends/Silence
1年越しに聴く陽炎のようなスロウミュージック
2016年の今頃にリリースされたSmall circle of Friendsのアルバム「Silence」。
当時は前作「Superstar」が感動的に良くてドハマりした反動もあり、それと比べてタイトル通りの落ち着いた曲が多い本作には、当時はまだ食指が伸びませんでした。
それが最近、真夏日が続き、陽炎のようにゆらゆらと漂うようなラップが聴きたい衝動に駆られ、改めて手にしてみた次第。1年遅れで自分の気分が追いついた感じがしています。
(Small Circle of Friends/Silence)
今の気分には「Superstar」ではちょっと刺激が強過ぎる。「Silence」が今の気分を潤してくれるのにはまさにぴったりでした。
(ちょうど乾いたのどを潤すには、炭酸水ではなく、レモネードの方がスッと体に染み渡るような感覚で)
(Small Circle of Friends/「新しい人」)
ライナーノーツの冒頭、中村智昭氏(MUSICAÄNOSSA / Bar Music)のコメントにはこうあります。
「スモール・サークル・オブ・フレンズというアーティストは、必ずしも時代を先駆してはいない。むしろ、意識的に僕たちとその歩みを共にする。(中略)大好きなアーティストと同じ時代を生き、年齢を重ねて行くのは幸せなことだ。しかしながら、10代のころに出会った音楽の眩しさは、往々にしてリスナー自身の様々な要因にも複雑に絡み合う中で徐々に褪せ、やがてそれはノスタルジーとなってしまう。だが、スモール・サークル・オブ・フレンズはファンの手をとり、新たな作品をリリースする度に「ほら」と鮮やかな輝きを示してみせる。」(中村智昭氏のコメントより引用)
このライナーノーツの冒頭に寄せる同氏のコメントは、僕が本作から感じる感情を、まさに的確に言い表している名文だと思います。
すごく等身大で日常的。そんな安心感を湛えた本作に「おかえり」と迎えられた気分がして。まるで遊び疲れて帰る場所のような、居心地の良い音楽がそこにはあります。
TAGS: SmallCircleOfFriends | 2017年8月5日