あの頃の彼にまた会いたくなって #フィッシュマンズ映画化決定

音楽・カルチャー

フィッシュマンズは、僕が20年前に心酔していたバンドだ。

そのフィッシュマンズの映画化が決定した。2019年2月にはクランクインをして既に撮影に入っており、2020年の公開を予定している。

フィッシュマンズの映画を製作するためにクラウドファンディングで資金を募っていることは昨年のうちに情報が入っていた。でも今は亡き佐藤伸治抜きのフィッシュマンズにはどこか違和感を感じていて。

あの頃のフィッシュマンズが今も独り歩きして、全然知らない別のモノに変わってしまうのではないかという不安。

自分の中にある20年前の輝かしい思い出と記憶、その象徴がフィッシュマンズであり、それが変化することを極度に恐れてきたように思う。

クラウドファンディングの締め切りが間近に迫る中、当時撮影された映像を見た。そこに映る無邪気な佐藤伸治の姿。

一瞬身震いがして、懐かしさに込み上げるものがあった。もう一度映画でその姿を見たい。その時感じたのはただただその一心だけだった。

今の自分を形作っているのは、ちょっと大袈裟だけど、多感な時期にフィッシュマンズの音楽に触れたことが大きい。だから、フィッシュマンズの音楽に恩返しをするつもりで申し込んだ。たった1万円だけど、役立ってくれれば嬉しい。

「ロングシーズン」の流れのように、自分も20年前からだいぶ遠くへと流されてきた。色んな出会いと別れがあり、喜びと悲しみと怒りとが当時の自分の姿かたちをすっかり変えてしまったが、あの声はいつでも僕を呼び覚ましてくれる。

彼がいる当時のフィッシュマンズの映像と、当時の関係者たち、そして思いを共にする出資者で紡がれる1本の映画。どんな作品になるのか、2020年の完成が待ち遠しくて仕方がない。

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