【投資】アドバンス・レジデンス投資法人(3269)の運用状況報告会で感じた住宅系REITの魅力

投資・マネー

アドバンス・レジデンス投資法人の運用説明会に参加しました

ゴールデンウィーク明けの忙しさにブログの更新が滞りがちですが、ゴールデンウィーク中に参加したJ-REITの運用説明会について報告をしたいと思います。

参加したのはアドバンス・レジデンス投資法人(3269・以下ADR)の運用説明会。ADRは自分が最初に投資したJ-REIT銘柄であり、住宅系REIT(不動産投資信託)の中では最大手に位置します。

 

ADRの特徴は、REITの中でも比較的安定的と言われる住宅系REITであり、またJ-REIT最大の分配準備積立金(株式で言う剰余金に当たるもの)を有し、この潤沢な積立金を背景に毎期4,500円を基準に安定した分配を行っています。

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ちなみに2014年4月に支払われた第7期の分配金は4,615円でしたが、内訳は当期純利益から4,415円、分配準備積立金取り崩しが200円となっております。

住宅系REITであり、豊富な分配準備金を背景に安定的な分配金を有していることから、私は不動産投資の勉強と再投資のための安定的なキャッシュインカムを目的に投資をしております。

そんなADRの運用状況説明会は東京、大阪、名古屋で開催され、私は5月1日東京会場に足を運びました。

そこでは住宅系REITに関する様々な知識を吸収することができ、私のような初心者にもよくわかり、「なるほど」と思わせる目から鱗な話を多く聞くことができました。

今回は特に印象に残った話をかいつまんで記録しておきたいと思います。

 

なぜADRにはファミリータイプの物件が少ないのか?

ADRでは、保有する物件にはある傾向があります。それは独身者向けの物件を多く扱っていること。

住戸タイプとしてはシングルタイプ52%・コンパクトタイプ22%と全体の3/4を占め、賃料帯も月額賃料15万円未満が約7割、最寄り駅までの徒歩圏10分以内物件が93%となっていることからも、独身・単身者向けの物件を数多く保有していることがわかります。

一方のファミリータイプはたったの16%。ファミリータイプの方が長く安定的に、高い賃料で借りてくれそうな気がしますが・・・。

私などは、独身者向け物件は入れ替えも激しく、空室率も不安定で、入れ替えの都度リフォーム費用も多くかかると考えるので、賃料も高く長期に安定して入居が見込めるファミリータイプをもっと増やせば良いように感じていましたが、これに対する回答はとても明快なモノでした。

その回答とは、ワンルームマンションを購入して住むという人はほとんどいないが、ファミリータイプの場合は分譲と競合する、というもの。結婚して子供ができたら、家賃では勿体ないと住宅ローンを組んでマイホームを購入しようと考えます。言われてみればまさにその通りですね。

また、ファミリータイプは借上社宅として利用する企業の社内ルールも意識しなければなりません。各企業ではファミリータイプの借上社宅の基準を大体15万円で足切りになる傾向にあるそうです。しかし、ファミリータイプの場合、坪130~150万円でないと採算が厳しいとのこと。

また、独身者向け物件のデメリットでは、と懸念をしていたことについても回答がありました。

ADRの物件を利用する人の平均入居期間は年々伸びており、30ヶ月台だった平均入居期間は現在では平均46ヶ月に進捗。必然的にリフォームのサイクルも減ってきていることや、仮にリフォームしたとしてもこれまで以上に高く貸し出す自信があること、そのための1級建築士の有するエンジニアリング部も備えていることなど、独身者向け物件が中心の構成について大きな安心感を与える内容でした。

 

利回りのイイ地方物件を積極的に増やさない理由とは?

ADRのポートフォリオを見てみると、都心主要7区に44.9%、都心部に29.3%とその割合が高く、都心部に物件が集中していることがわかります。かたや政令指定都市等のいわゆる地方都市では15.2%しかありません。

一方、取得物件の加重平均NOI利回りを見てみると、都心主要7区で平均5.4%、都心部で平均5.8%という利回りの中、政令指定都市は6.7%と高く、表面上は地方の物件を増やした方が収益が上がりそうな気がします。

しかしこの疑問については、人口流入データがその答えを導いてくれます。

地方から都心部への人口流出、特に東京23区への流入人口が顕著な一方で、政令指定都市(札幌、仙台、名古屋、京都、大阪、福岡)については流入と流出が年々変わるという不安定な状態が続いています。

ADRが45%の物件を有する東京都に関しては、18歳以上30歳未満の若年層が毎年6万人以上が安定して流入してきており、ADRが強みとするシングル・コンパクトタイプはその受け皿となっているようです。

利回りの高い地方都市の物件についても人の動きを見て投資判断をしていくとのことですが、いくら表面利回りが良くても借り手がいなければ意味が無く、将来の地方都市の人口構造に対し不安もあることから、地方では一等地に厳選投資をしているという話でした。

 

ADRが匿名組合への出資で確保した優先交渉権とは?

REITの用語で「内部成長」と「外部成長」と言う言葉が使われます。

内部成長とは、空室率の低下やリフォームによる賃料アップなどをいい、外部成長とは、物件を新たに取得して収益を拡大することを言います。

REITの世界では出資により集めた資金で物件を取得する他、金融機関等からの借り入れで物件を増やし収益を伸ばしていきます。

ADRは今後の外部成長の足掛かりとして、2013年に匿名組合(ブリッジファンド)2社への出資を済ませ、合計で19物件、198億円分の物件取得について優先交渉権を確保すると同時に、6%程度の配当金を享受しています。

それならばブリッジファンドへの投資だけに留めればリスクを冒さず安定的に配当が得られるのでは、との質問に対しては、ブリッジファンドへの投資には期間が定められており、概ね2年で売却することが義務化されているのだとか。ゆえに銀行も有利なノンリコースローンが組めるのだといいます。

優先交渉権は購入価格の予約のような意味合いもあるので、今後相場が上昇する場合、ファンド出資時に決められた価格での物件購入が可能であることから、含み益や家賃の上昇で想定より高い利回りを享受することも考えられます。

 

住宅系REITにとって消費税増税の影響は大きいが・・・。

4月から消費税が5%から8%に上昇しました。商業施設などでは賃料に消費税がかかるのですが、住宅用賃貸物件には消費税がかかりません。

一方で、保有物件の管理費や修繕費等にはすべて消費税がかかることから、業務を委託する分はすべて業績へのマイナス要因となります。

説明によると、消費税1%上昇することで分配金に与える影響としては20~25円のマイナス要因になるとのことです。このインパクトはかなり大きいように感じます。

しかし、次の第8期、第9期についても当期純利益を4,430円を予想し、自力での4,500円を視野に捉えています。

仮にもし、来年消費税が10%に引き上げられた場合、今より40~50円程度のマイナス要因になるのですが、先に挙げたブリッジファンドに投資したことにより確保した優先交渉権を実行すれば、約280円の押し上げ効果が得られることになります。

第8期予想の当期純利益が4,430円ですから、仮に消費税10%造成されることで40円~50円のマイナス要因となっても、念願であった自力での4,500円の達成が確実視されます。

 

まとめ(感想のようなもの)

ADRは伊藤忠グループの後ろ盾もあり、大変魅力的な投資先と感じていましたが、運用状況報告会に参加をしてみて、改めてその魅力を確認することができました。果たしてこの魅力はADRだからなのか、他の住宅系REITにも共通して感じることができるのか、関心のあるところです。

現在、同じ住宅系REITの日本賃貸住宅投資法人(8986)にも投資をしておりますので、この機会にぜひ比較をしてみたいと考えています。

日本には地質学的リスクはありますが、それを言ったら日本株式だって同じですし、リスク分散のために外国株式等のインデックス投資も並行して行っていますから、J-REITに関しては積極的に保有割合を増やしていければ、と考えており、特にADRについてはJ-REITにおけるコア銘柄として、これからも買い増しをしていければと考えています。

ではまた!

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