【本】続「考える力」をつける本/轡田隆史(三笠書房)

 自分は考えることを放棄してはいないか?

しばらく家事に追われ、溜まっていた本の感想でもポツポツと書いていこうと思います。ブログを更新しない間にブログについて考えるきっかけになった本。今回は以前にご紹介した本の続編です。

(過去の記事)

20140326-03

【本】「考える力」をつける本/轡田隆史(三笠書房)(2014年4月3日)

先日某テレビ番組でタレントの西村知美さんがブログの更新を慎重にするあまり、更新の時期を逸し、結局来年の日付で公開予約をする様子をオンエアし視聴者の笑いを誘っていました。

しかし、記事に関係する方や読み手への配慮、また情報の正確性の確認など、一般に公開されることに対する責任と慎重な姿勢はとても共感できるところがあり、興味深く拝見していました。

一方で、文章に納得ができずにいつまでも更新できない(最悪の場合はお蔵入り)のでは、時間と労力の無駄になってしまい、どのタイミング(クオリティ)で公開するべきか、ブロガーの皆さんはそれぞれ判断にご苦労されることでしょう。

私もブログを書く時は何だかんだ文章だけで2~3時間程度かかって書いている気がします(「この文章で?」なんて言わないで・・・涙)。そのうち推敲にかなりの時間を要しますし、稚拙な文章を誤魔化すべく写真も撮影するとなるとさらに周到な準備が必要です。

私にとってブログはあくまで趣味ですから「何もそこまでする必要もないのでは」と自分でも時々思ったりもしますが、こんな自己顕示欲と承認欲求を満たすための私的ブログでも読んでくださる方がいる以上、中途半端な内容では恥ずかしくて公開できません。

 

20140903-12

(続「考える力」をつける本/轡田隆史)

そんな中、本の中で井伏鱒二の処女作「山椒魚」が、教科書にも載るようにもなったのち、晩年に最後の20行をバッサリ削り落とした、という逸話に触れ、作品に対する向き合い方について考えさせられました。

レオナルド・ダ・ヴィンチがモナ・リザの絵に手を加え続けたように、作家にとっても作品に完成なんてきっとないのだと感じたのです。

巨匠と自分を重ね合わせるなんて大それたことは考えも及びませんが、作品に向き合い続けるその姿勢、探究心は大いに真似るべきだと強く感じました。

文章は今の自分の中からアウトプットされるものだから、書き出した途端自分の中で風化していく。自身の成長や、その時の環境や気持ちの変化で作品も刻々と変化していくもので、それは当然のことなのだと思います。

記者なら当然締め切りもありますし、そうでなくてもいつかはどこかで一旦ペンを置かなかればならない。しかし、一旦公開した後だって、自分の中で常に変化させ続ければいいのではないかと。

必要に応じて修正を加えればいいし、気持ちの変化があればそれをまた更新すればいい。「Web Log」なのですから刻々と変化する記録も残せしていけばいい。ブログは更新して完成ではなく、途中経過であると思えれば気持ちも幾分軽くなる気がしました。

単にモノの紹介や出来事をレポートするなんてことはすでにプロがいて、何倍も役立つ情報を発信しているわけですが、この「考える力」をつける本 シリーズでは、自分にしか感じることのできない独自の考え方や見解を持つことの大切さやそのためのヒントを与えてくれます。

これだけ情報の溢れた時代に読者がブログに求める役割はありふれた情報ではなく、個人の持つ独自の感性や感動の共有 なのだと思うと、文章力以前に、まずは自分自身が物事に対してどう向き合うかを見つめ直す必要がある気がしてなりません。

自分の感性が磨かれ、より豊かなものとなり、人生が一層充実したものになってこそ、ブログもより面白く、人を惹きつけるものになるのだと思いに至り、考えを巡らせることにとても前向きになれました。

折に触れて読み返したくなる本、そして著者のような文章をいつかは書いてみたいと思える内容となっています。

【関連する記事のご紹介】

« »

ランキングに参加中。ポチッと応援、お願いします!
deco.blog.with2.net ブログランキング・にほんブログ村へ

【コメントの投稿の仕方について】

  当サイトでは「Disqus」と呼ばれるコメント機能を使っております。
  ツイッターやフェイスブックなどでアカウントをお持ちの方は、ログインすることで
  自分の各プロフィールのままコメントすることができます。
  各種アカウントのない方もEmailアドレスさえ入力すればコメントが可能です。
  (入力したEmailアドレスはコメント投稿には表示されませんのでご安心ください。)
  また、コメント欄には画像を張ることも可能です。
  何度も「Reload」が表示される場合は、キャッシュを削除すると表示されることがあります。
  コメントが反映されるまで多少お時間が掛かることがございます。ご了承ください。