J.M.Weston、痛みに耐えかねて手放す前にその原因と解決策を探ろう!
J.M.Weston(ジェイエムウエストン)靴のフィッティングには苦労する方が多いようで、当ブログに訪れて下さる方の中にも多数いらっしゃるようです。
過去の記事を読み返してみても役に立ちそうな記事がほとんどなく情けないのですが、たまには役に立てそうな記事を経験した範囲で書こうかと。お役に立てれば光栄です。
ウエストンの万力締めは皆泣かされる
J.M.Weston(ジェイエムウエストン)のゴルフは履くのに最も苦労した1足です。
痛みに苦労されている方はすでに経験済みでしょうが、店員さんに勧められたフィッティングを鵜呑みにして後悔したり、痛みに耐えかねて手放さそうかと検討したり。
書く言う私も、最初のフィッティングはジャストサイズだったはずなのに、いざ履いてみると強烈な万力締めが襲いあろうことか一歩も歩けない。怪我でもしたように足を引きずって帰宅したのを覚えています。
もしやサイズを間違えて買ってしまったのでは、という不安と焦り、そして高価な買い物をしたのに大失敗してしまった、という自責の念と激しい後悔。シューズラックに眠らせるか、オークションで売却するかという方も結構いらっしゃるのではないかと思います。
しかし、焦る前に原因を追究すべきです。果たしてサイズ選びは本当に失敗だったのか?そして、痛みの原因と解消方法があるのかないのか?手放すのは検証してみてからでも遅くはないはずです。
痛みの発生する場所は人それぞれですが、私の場合は左小指の付け根でした。Edward Green(エドワードグリーン)の俗に言う「噛まれる」という、親指付け根の皮を挟むような上っ面な痛みの比ではなく、骨が悲鳴を上げるような強烈な痛みを伴いました。
靴紐を解いて緩めても一向に引かない痛さはまさに万力締め。翌日以降も後遺症が残るほどの痛みですから、サイズを間違えたと思うのも無理はないのかもしれません。
まずは靴の形状を見てみよう
推定原因1:ほぼノーズのないラウンドトゥ
大きなラウンドトゥでノーズも限りなく短く、足をスッポリ包み込むような形状をしています。
推定原因2:大きめのヒールカップ
ヒールカップは大きめ。かかとの小さな人にとっては抜けやすいというのも特徴です。
推定原因3:固いラバーソール
返りの付きにくい比較的固いラバーソールが標準仕様となっております。
私は、痛みの原因がこの形状、つまりノーズが短く、足にぴったりとフィットする割にヒールカップが大きめであることにあると考えました。そして、もう1つはこのソール。この固いラバーソールの仕様がさらに痛みを引き起こしていると考えたのです。
痛みの発生原因は?
きちんとサイズの合った靴を買った時はどんな靴でも最初はどこかしら痛みを伴います。それはソールの返りがついておらず、そのためにその負担が足の一部に集中するためです。
痛みが出ればその痛みを回避しようとして歩き方が変わり、また別の個所に痛みが発生する。最初は負の連鎖が続きますが、時期にソールに返りがつき始め、アッパーも足形に馴染み、歩行に最適な形状へと変化し、足への負担も軽減されていずれ痛みを感じなくなります。
ソールの返りが付くまでには時間がかかります。ノーズが長く、ポインテッドなトゥであればテコの原理でソールが曲がりやすく、比較的早い段階で返りが付きます。
一方ゴルフの場合、大きなラウンドトゥでノーズも極端に短く(というかほとんどない)テコの原理が効かないことに加え、ヒールカップが大きめのために靴がかかとについて来ず、「くの字」に曲がる角度が浅く、返しがとにかく付きにくい。
ましてや固く丈夫なウエストンのラバーソール。ラバーソールは革よりも形状記憶性に乏しく、返しの癖付けが難しいですから、余計に馴染みにくいという3重苦。
ただでさえ隙間なくすっぽりと足を包むゴルフ。すこしでもむくんできたりすると逃げ場がなく万力で締め付けられたような強烈な痛みが我々を苦しめることになるわけです。
解決策1:とにかく曲げること
この痛みの克服方法はもう頻繁に曲げ伸ばしをして癖付けをする他ありません。とは言え厄介なことにゴルフはラバーソールなので、レザーソールにデリケートクリームを塗り込んで強引に柔らかくするようなことができませんから、ひたすら曲げ伸ばしを繰り返してならしていくしか方法がありません。
慣らし方は人それぞれですが、コツは全体重をかけて思い切って曲げることです。丈夫で知られるウエストン、そう簡単に壊れたりはしません(たぶん)から、爪先立ち運動を繰り返したり、アキレス腱伸ばしの姿勢で後方に伸ばす方の足を深く曲げたり、自分のやりやすい姿勢でできる限り深く曲げてあげます。
変なシワが入らないようにできれば履いた状態で曲げるといいのでしょうが、足も痛いですし、ノーズが短い分甲に皺は入りにくいので、シワはあまり気にせず手でぐいぐい押さえつけて曲げてもいいと思います。
解決策2:とにかく履くこと
あとは履いている時の歩き方。足の着地と蹴り出しを意識して歩きます。正しい体重移動を意識して、かかとから足を付き、つま先でまっすぐ後方にけり出すことを意識すれば痛みに襲われることはだいぶ回避できます。
それまで気づかなかったのですが、私も自然とヒザが外向きに開いて歩くクセがあったようで、着地と蹴り出しをまっすぐに歩行を意識すると内股の筋肉を使って歩いていることが分かります。この歩き方だと万力締めに合わずに難を逃れることができます。痛みを避けようと変な歩き方をすると逆に強烈な痛みに見舞われます。
コンビニやおつかいなどの身近な外出から初めて、足に靴が付いてくるようになれば痛みもだいぶ軽減されるはずです。最初のうちは座る時間の長い場所へは履いていくのを避けた方が賢明です。
座ると足がむくみ激しい痛みが襲ってきます。電車の中でも座ったら途端に痛くなりますから、立ってる時間はほどほどで立ち続けることが苦ではない日や、一日中歩き回るような日の方がむしろいいのかもしれません。
終わりに
私は今でも、このまま履き続けると怖いと思う時があります。まだ完全に馴染んでいるという訳ではありません。映画館なのでは上映中は念のため脱いでいますし、履き慣らすまでには相当時間はかかりますが、それでも履いた分だけ答えてくれる靴だと思います。
皆様の痛みが少しでも解消され、「第二の皮膚」とも称される素晴らしいウエストンフィッティングと巡り合えますことを祈っています。
・・・とまぁ、随分昔に書いた記事がお蔵入りになっていたので引っ張り出して加筆修正してみました。昔はかなり真面目に書いていたのですね(笑)。まだまだお蔵入りになっている記事が結構あるので掘り起こしてみようと思います。
TAGS: J.M.Weston | 2014年10月8日