【本】「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。/河岸宏和著(東洋経済新報社)
外食をする自分たちの意識改善も必要
嫁さんに聞くところによると、家事の中で一番大変なのはやはり食事を作ることだそう。せっかく作った食事も30分足らずで食べ終わってしまい、また次の食事のメニューを考える、の繰り返し。とにかくそれが憂鬱とのこと。
そんなわけで、時には家事を軽減するために外食で済ませることもあり、我々も手軽なチェーン店に行くわけですが、電車の広告で見かけたこちらの本、気になって実際に手に取ってみたのですが・・・。
・・・これ、良いお店を見抜く前に外食をすること自体に不信感を覚えます。特にチェーン店に対しては読んでいて「もう行くのは止めよう」と真剣に思ってしまう内容でした。
とにかく、もし良し悪しを見抜くスキルが身についても、実際に駄目な料理が出てきたと気づいた時の落胆たるや半端じゃない気がして。
(見抜くのは間違い探しのようで面白そうだが・・・。)
10店舗ほどのお店を調査した”覆面食べ歩きレポート”なんて、さすがに店名は伏せていますが、はっきり言って読んでいてどのチェーン店か大体検討はつきますし、これまでそのお店で何の疑いもなく食べていたことを知った時はさすがに自己嫌悪に陥りました。
いくら見抜くスキルを身につけたところで、運ばれてくる料理を毎回疑いながら食べるのでは全然美味しくないですし、最後にはちょっと高くても安心で美味しいお店で食べたいという思いに至りました。
(無知は罪なり、外食産業の裏側)
気にはなっていたけれど、便利さゆえに自ら目をつぶって見ないふりをしていたところが多分にあるなぁとつくづく実感した今回の本。これまで知ることのなかった裏側を知るたびに愕然とすることの連続。
まぁ、自分がそんな調子だから、外食産業に対してどうこう言える立場にないのですが、それよりもまず、食に対する自らの認識改善の方がよっぽど重要な気がして。
外食を家事の代替ではなく、ご褒美やお祝い事の際に利用するもの、そう認識を変えなければいけないのだと思いました。
そして、こうして外食という便利な逃げ道を取り上げられた時、改めて安全で美味しい家食の有難さを痛感します。
我が家は現在、嫁さんと2人きりの生活ですのでまだ気楽かもしれませんが、もし子どもがいたら料理はもっと大変。しかしとてもじゃないけどチェーン店の料理を安心して子どもには食べさせられません。そんな未来を想像すると、普段から創意工夫して食事を作ってくれる世の中の主婦たちには頭が上がりません。
外食産業の裏側を知ることで見えてきた家庭の食事の有難さ。嫁さんの料理ももっと大切にいただき、時々は自分が作って振る舞うこともしなければ、と。
そして、これからは家食ができることを幸せに感じ、作り手に対してこれまで以上にきちんと感謝の意を伝えなければいけませんね。心からそう思いました。
TAGS: 河岸宏和 | 2014年10月29日