【投資】日立建機(6305)第51回 株主総会に出席した所感と嬉しい手土産
建設機械業界の目の付けどころ
先週のことですが、初めて日立建機(6305)の定時株主総会に行って来ました。
派手さはないけれど、地味にすごいことをやっている企業が大好きな自分にとって、日揮(1963)や商船三井(9104)など、世界的に大きな事業を手掛ける企業にいぶし銀な凄みを感じてしまいます。
ガテン系な印象の建設機械業界についても同様でして、その無骨さと高い技術で打って出る企業の姿勢に畏敬の念を抱きつつ、心惹かれる業界の1つです。
(日立建機から届いた招集通知)
そんな建設機械業界の雄、日立建機の昨年度の決算は残念ながらイマイチで、通期見通しも個人的には今一つ懐疑的だったことから5月の時点で一旦売却したのですが、個人的に好みの銘柄であることに変わりはなく、いずれは買い戻すことも念頭に株主総会に出席してきました。
(過去の記事)
当日はあまり時間が無く、1時間程度しか参加できませんでしたが、話を聞く中で、いくつか感じるところがありましたので記録をしておきたいと思います。
1.日立建機はいくら企業努力をしても最後は景気動向に左右されてしまう典型的な消費循環株
事業報告を聞きながら一番に感じたのは、建設機械業界は景気動向が投資判断をする上で最も考慮すべきポイントなのだということです。
建設機械業界は資源価格や景気動向に大きく左右される、いわゆる消費循環株に該当しますが、これらの消費循環株はいくら企業努力をし、コスト削減に努め、業界内のシェアを拡大しても、それ以上に景気の動向如何で需給が大きく左右されるため、景況感が弱い時はどんなに頑張っても業績が悪化することは否めないと実感しました。
原油価格の急落や中国の景気後退が需要を大きく悪化させており、業界全体が前年度を下回る結果となっていますが、現在のような資源価格下落の局面では、業界内はどこも似たり寄ったりな決算になりがちで、勝ち組不在の状況とも言えます。
しかし、需要が縮小している時期では大差がなくても、需要拡大局面ではシェアの差が大きく業績の差となって現れてくるので、悪い環境下でも各社のシェアや技術開発に注視し、銘柄を選定しておくことで、状況が一転した際、他社に比べてより大きなリターンが得られるはずです。
そんなわけで建設機械業界については、業界全体の景況感を意識しつつ、個別にはキャタピラー(CAT)、小松製作所(6301)、そして日立建機のシェアの推移に注目しながら、またコマツがリードする自動運転などの技術開発の動向を見守りしながら、投資のタイミングをじっと待つようにしたいと思います。
2.資源開発と住宅建設、2つの異なる景気の流れがスタビライザーとなり業績を安定させる
一方で住宅建設関連では資源開発関連とは景況感が少し異なりますので、不況だからと言って大きく赤字に転落することはない業界という感じもしており、単年度の決算はあまり意識せずに長期で持ち続けるのも一つの手かなぁと思ったりしました。
日立建機の業績を通じて感じることは、原油価格の急落により、資源開発が後退する中で、マイニング事業は大きく下落する一方、欧米の住宅建設に関連は売り上げを伸ばしていることです。
前年比で米国は130%、欧州は140%となり、それをけん引しているのは住宅建設関連で、不動産バブルに対する規制強化で前年比65%に落ち込んだ中国の急速な減速を除けば、欧米の個人消費が回復基調にあることを伺わせます。
日本でもハウスメーカーがあちこちで住宅を建設しているのをよく目にしますし、 資源開発熱が急速に冷え込む一方で、個人消費は少しずつ回復してきているように思い、今後の個人消費の伸びに期待できるのではないかと思っています。
3.業績に波はあるが比較的安定的で高配当、建設機械銘柄は美味しい投資先?
(油圧ショベル ZAXIS 210)
単年度の業績は若干不安定ながら、かと言って大きく業績を下げることもなく、株価がさえない中でも比較的高い配当金を享受できる建設機械銘柄は、長期で保有し続ける選択としてありかもしれない、と思うようになりました。
ちなみに、日立建機の株主総会でいただいた手土産ですが、こんなモノが入っていてちょっと驚きました。
(手土産は1/50スケールのミニチュア)
手土産というのでお菓子かと思いきや、まさかの油圧ショベル「ZAXIS210」の50分の1スケールのミニチュアが入っていました!
小松製作所が300株以上の長期保有株主に対し株主優待としてミニチュアを贈呈していることは知っていましたが、まさか日立建機の株主総会の手土産でミニチュアが貰えるなんて思いもしませんでした。
ちなみに株主総会の質疑応答の中で、現時点で手土産については今後も継続する方針、と回答されていましたので、来年もまた新たなミニチュアが貰えるのなら、株価が上がる前に早いところ株を買い戻そうかと思ってしまいます。
長男がもう少し大きくなったら良いおもちゃになりそう。ありがたく頂戴します!
そんなわけで改めて大好きになった日立建機、今度も引き続き同社の動向を見守っていきたいと思います。