【CD】FINK/Fink’s Sunday Night Blues Club, Vol. 1
湿り気を帯びて染み渡るブルース
大衆音楽になじんでしまった人間にとって、ブルースとは大概つまらないものだ。しかし、強い中毒性がある。
多分に漏れず、フィンクの奏でるブルースも・・・いやフィンクだからこそ、なのかもしれない。ここにもすでに中毒者が1人いる。
(FINK/Fink’s Sunday Night Blues Club, Vol. 1)
フィンクの奏でるブルースを何の先入観を持たず、じっと音楽に耳を傾けてみる。
ヴィンテージ・マイク1本、ヴィンテージ・アンプ1台で録音された、ラフで生々しさを感じる音楽の裏に、これまでの音源に共通して流れるフィンクの根源を見た気がする。
ビターでスイートな、常習性のあるシンフォニー。
どこか祈りにも似たその音楽は、聞くたびにしっぽりと湿り気を帯びて、気づかぬ間に身体にしっとりと染み渡っていく。
TAGS: Fink | 2017年3月16日