【CD】AT THE DRIVE-IN /In.Ter A.Li.A
「”AT THE DRIVE-IN”が帰ってきた!」
まさに「帰ってきた」という表現が相応しい。凱旋である。
実は彼らはとっくの昔に再結成し、2012年には来日もして自分もこの目でその姿を確認している。
しかし、「Fuji Rock Festival ’12」で見た彼らは、動けなくなった過去のロックバンドで興ざめしたのを覚えている。まるでオールディーズのバンドを見ているかのようだった。
少なくとも大学時代に僕が熱を入れたあのATDI(アット・ザ・ドライブイン)ではなかったことは確かだ。
そんな彼らの新譜は再結成以降も発表されてはこなかった。
2001年に活動を休止、オケ組はSPARTA(スパルタ)、アフロ組はTHE MARS VOLTA(マーズヴォルタ)でそれぞれ同時期に活動を開始し、僕もしばらくは双方を追いかけたが、ATDIの影を追う自分にはしっくり来ず、途中から追うことも止めた。
そんな彼らが再結成したと聞いて喜んだのは2012年のことだが、すぐにぬか喜びだったとフジロックのステージを見た時に感じたのは先に書いたとおりだ。
(AT THE DRIVE-IN /In.Ter A.Li.A)
しかし、どうしたことだろう。今作は、全盛期のそれと何ら変わらない。
奇天烈に駆け回るギターと吠えるボーカル、そして前のめりに、食い気味に爆走する音塊に、かつての泡立つ興奮を思い出さずにはいられなかった。
2012年の再結成後もメンバーの脱退など落ち着かなかった彼らが、ようやく当時のような一体感を持ち始めたのはどうも最近のことらしい。
昨年の「Summer Sonic 2016」で過去に自分がフジロックで見た時とは様変わりしたATDIの姿を拝むことができたそうだが、それを聞いて今ひどく残念に思っている。
しかし、自信と結束を取り戻して、満を持して制作されたのが今作と聞いて納得した。
「In.Ter A.Li.A」はまったくもって傑作なのである。
TAGS: AtTheDrive-In | 2017年6月13日