【本】学びを結果に変えるアウトプット大全/樺沢紫苑(サンクチュアリ出版)
昨年末、停滞気味だったブログを更新する動機づけになればと思い読んだ一冊。読了後1カ月近く経ち、まずまず効果を実感できましたので、たまには本のレビューでも。これも立派なアウトプットですから。
一所懸命勉強をしても、なかなか成果の出ない人がいます。学生時代、テストの結果を見るたびにそう感じた人も多いでしょう(自分のその口)。そしてその差は、自頭の良さや要領の良さだと半ば諦めていた人も多いはず。
しかし、実はインプットとアウトプットの割合を見直すだけで、成果に大きな差が出るといいます。かくいう著者は精神科医の傍ら、年2冊以上の本を出版し、毎月新たなテーマで講演を行うなど、「日本一アウトプットしている精神科医」を自称する樺沢氏。
人は、いくら本を読んだり学習したりして知識を身に付けても、インプットしたままではすぐに忘れてしまいます。このようなインプットはただの「自己満足」に過ぎず、「自己成長」にはつながりません。脳の仕組みがそうなっているからです。
脳は、知識を使う(アウトプットする)ことで初めて重要情報ととらえ、長期記憶として保管します。一度長期記憶に保管されると何年経っても忘れ難くなりますし、忘れてもすぐに思い出せます。昔の取り組んだスポーツの感覚を、辞めてからも身体が覚えているのと同じですね。
そして、アウトレットの代表的な方法は「書く」「話す」「行動する」ことが挙げられます。その手法を脳科学に基づく根拠と著者の実体験からまとめたのがこの本です。
アウトプットは誰かのためになる以前に、自分にとってのメリットがたくさんあります。そのため、持てる知識は出し惜しみしたりせず、インプットした情報を消化して自ら発信することで、自分も、そして周囲の環境も大きく変わります。
自分もブログを書いたり、人と話したりすることで更に知識が深まった経験がありますし、人に変なことは教えられないとしっかり調べるようにもなりました。何より、人とのつながりも広がりましたから、実感値として理解できます。
日本人はアウトプットが下手だと言われますが、自分はそうは思いません。FacebookやInstagram、Twitterなど、日本人はSNSが好きですし、それ自体アウトプットの手段でしょうから。
あとは発信する際に少し意識を変えるだけ。見る人、読む人など、相手を意識して発信するだけで、それも立派なアウトプットなのかなぁと思っています。
アウトプットに専念し過ぎると、行動目的自体が本来の目的から「アウトプットのため」にすり変わってしまいかねず、またろくなインプットもないまま薄い情報を発信ばかりになるでしょう。限られた時間の中でイン・アウトのバランスの取り方は難しいところです。
とは言え、少しずつでもアウトプットを続けていると、逆に自分で調べただけでは入ってこないような有益な情報などが入ってくるのも事実。アウトプットの恩恵は思いの外大きいように感じます。
アプトプットは慣れれば何でもないことでも、最初は面倒臭く感じ、なかなか一歩が踏み出せないもの。 きっかけが掴めずにくすぶっている人にとっては、アウトプットのハードルを下げてくれることでしょう。
この一年を行動的なものにしたい人へ、一読をオススメしたい一冊です。