生命保険の断捨離で保険料は1/7に。保険の考え方と見直しで得たモノ
少し記事の毛色が異なりますが、自分のための備忘として。
先日、加入していた (広義の)生命保険を大幅に見直しました。加入する生命保険のうち、今回死亡保険には手を付けず、一方の医療保険についてはこの機会にバッサリと断捨離を敢行しました。
これまで加入していた医療保険は、アフラックの医療保険と東京海上日動あんしん生命のがん保険の2本。今回その両方を解約し、代わりに県民共済の新型・県民共済に1口加入しています。
子どもの成長と共にますます責任が増す身であるにも関わらず、保険を断捨離することは何だか逆行しているように映るかもしれません。
しかし、保険はそもそも責任と比例して補償額を上げるのではなく、貯蓄と反比例して補償額を下げるのが正しい保険の加入方法だと考えています。
言葉を選ばずに言えば、「生命保険はまだ蓄えの少ない人が加入するもの」。事実、大金持ちは生命保険には入りません。そもそも保険に入る必要なんてないからです。だって入らなくて済むだけの蓄えが既にあるのですから。
無駄な医療保険のそぎ落とし方
これまで加入していた医療保険とがん保険は、がん保険の診断給付一時金と高度先進医療特約を除いては給付内容が重複していましたので、一元化をすることに。
がん保険は解約、医療保険もこの機会に過剰な補償を全てそぎ落としました。
病気やけがのおかげで保険金が下り、収支でプラスになったなんて喜んでいる人がいますが、確かに不幸中の幸いではあるものの、冷静に考えてみたらそんなの本末転倒以外の何物でもありません。
医療保険で本当に必要な補償額はいくらなのか、算出するに当たっては健康保険、雇用保険、それに会社の制度や福利厚生などを調べました。
必要な補償額は案外少ない
保険会社のパンフレットなどにも必要補償額が記載されていますが、社会保険(公助)の適用を受けないままの必要補償額が掲載されているケースがいまだに散見されます。
実際に調べてみて、手術給付金については健康保険の高額療養費制度の適用を受けた場合の自己負担分のみ、入院給付金は断り切れなかった場合の差額ベッド代のみを補償できれば十分と判断しました。
働けない期間の収入補償についても、会社の制度が思いのほか充実していることに加え、健康保険の傷病手当金もあり、2年間は心配する必要がないことがわかって一安心。
もし、休職期間満了となり退職した場合、雇用保険からの失業補償給付もあります(働ける状態で働く意思がある場合に限りますが)。家族が増えるに従い収入補償の必要性は感じますが、今回の医療保険の見直しとはまた別の話。
がん保険は気休めであり、無駄。
一方のがん保険ですが、診断給付金で受け取れるくらいの貯金は既にありますし、高度先進医療特約についても、治療が受けられる医療施設が限られている他、いくら高額な治療でも重粒子線治療で300万円程度。その程度なら今の蓄えでも何とかなる金額です。
確かにがんは怖いですが、がん保険に加入しているからといってがんが予防できたり、治ったりする・・・なんてことはまずありません。
「2人に1人はがんになる」などと不安を煽られ、日本ではがん保険に加入する人も多いですが、補償の範囲ががんに限定されている分、大変不便な保険に思います。
結果的に、医療保険は県民共済の「新型・県民共済」で十分、という判断結論に至りました。
保険料は月額2,500円、民間保険と違い割戻金もあり、2019年7月実績で47.75%が戻ってきます。補償内容といい、掛け金といい、本当にイイ内容の保険です。 保険料はこれまでと比べ、ざっくり1/7にまで節約できました。
共助(保険)から自助(貯蓄)へ
保険は、自らの蓄え(自助)でも社会保険(公助)でも賄えない場合に、同じリスクを抱える人が保険料を出し合って備えるのが保険の本来の仕組み(共助)ですから、リスクは低いが万一の事態になったら困窮してしまうような若い人こそ保険に加入すべきです。
年齢と共に保険料が上がることを嘆く人もいますが、リスクが上がればトレードオフの関係で保険料も高くなって当然ですし、年齢と共に共助から自助へと移行して、保険ではなく貯蓄で備えるべきだと思います。
ただ、そうとわかっていてもやはり解約する際は躊躇します。後ろ盾を失うようでちょっと心細い思いをしますが、だからと言ってこのままいつまでも保険に頼るわけにもいきません。
いつ受け取れるかもわからない保険料を払い続ける間は、その保険料分は当然貯金ができませんし、保険制度維持のためブラックボックス化した付加保険料を払い続け、保険会社の収益に貢献し続けるほど、自分は能天気でもお人好しでもありませんから。
保険の断捨離で得たモノ
保険の解約は何も不安なことばかりではありません。日々の生活に張り合いも出ますし、健康にも一層気を使うようになります。趣味のランニングは今まで以上に取り組んでいますし、主夫生活に入ったと同時にお酒は基本的に止めました。
晩酌が無くなった分、人間に平等に与えられた24時間をより有効に使うことができるようになりました。ストレスから、たまにはお酒が飲みたくなることもありますが、ビールテイスト飲料で十分飲んだ気になれます。
食生活と運動が安定しているので、体重や便通も安定していますし、逆に身体の不調には敏感になります。
保険に頼り切って暴飲暴食するよりも、最低限の保険を掛けつつ一定の緊張感の下、健康的な生活を送り、節約した保険料は全て貯蓄に回していく。良好なサイクルが回り出しています。
実際には、保険金に救われた人もたくさんいますし、保険自体を否定するつもりはありませんが、けがや病気に対し、全て保険で賄うという考え方を変えない限り、一生医療保険と縁を切ることができず、付き合い続けていくことになります。
保険はリスクの高まりと共に保険料も高くなるものですから、年齢と共に保険料が高くなるのも当然のこと。それなのに若い時に安価で一生保険料が変わらない終身医療保険に加入して安心している人は、将来設計ができているようでいて、ただ思考停止を招いただけ、とも言えます。
民間生保の加入期間が長い分、払った保険料が勿体なく感じられ、保険金を受け取れないと何だか損をした気がして、ますます解約しづらくなる一方、自家保険ならば病気やけがをしなければそっくりそのまま自分の貯蓄となり丸儲け。
そのためにも早いうちに蓄えを作り、早々に共助の保険から自助の自家保険に切替えなければなりません。
不幸にも万一の事態に陥り、いくら高額な保険金を受け取れたとしても、けがや病気にならない方が良いに決まっていますし、家族だって保険金より健康な貴方を望むはず。
束の間の主夫生活を過ごしながらそんなことを考えて、ようやく全ての手続きを完了しました。保険解約への妙な不安を断ち切り、重い腰を上げるのに一苦労しましたが、きちんと事実を積み上げていくことで解消されました。
実際に解約してみたら、何のことはない、新入社員の頃に戻っただけです。ただ、当時と明らかに違うのはきちんとした蓄えがあること。
今回節約した保険料分は、家族のためにきちんと投資に当て、資産運用をより加速させていきます。今後は、自家保険で万一の備えを準備できるよう、更に資産を形成して、生命保険からの完全自立を目指していきます。
2019年9月10日