革靴をめぐる冒険【第1話】Sewn shoe-maker編
かねてから計画をしていた靴を巡る旅、心待ちにしていた日がやってきました。訪問地はオボイストさんやそろそろさんの地元・愛知県。
午前10時頃、新幹線ひかりで豊橋駅に到着。静かな街です。約束の時間まではまだ1時間ほど早いので、アーケード街の先にある鈴木珈琲店に入り時間を潰すことに。
アンティークカップがずらりと並ぶ、雰囲気の良い店内。せっかくなのでモカ・マタリを注文。
愛知といえばやっぱり小倉トースト。今日は歩き回るので出掛ける前にしっかり朝食を食べてきたつもりでしたが、モーニングの時間帯はトーストが付いてくるというのでお願いしました。
早速、愛知に遠征してきた実感を覚え、妙に嬉しくなります。
小倉トーストをかじりつつ、モカ・マタリの特徴ある余韻を楽しみながら待つこと30分・・・。
待ち人、現れました。オボイストさんです。
実はこの日、予約しているオボイストモデルの採寸や仕様を決めるため、Sewn shoe-maker(ソーンシューメイカー)にお邪魔する予定でしたが、急遽オボイストさんが立ち会ってくれることになりました。
私自身Sewnを訪れるのは初めてなので、同行していただけることになり心強い限り。簡単に近況を交換した後、11時にSewnに入りました。
店内に入るとまさに発送される直前のオボイストモデルが・・・!
ストラップの素材を変更したり、マッケイからグッドイヤーウェルトに変更したり、ソールを変更したりと、皆さん思い思いにカスタマイズしています。どれも個性があって、どれも素晴らしい!
この靴をデザインし、実際に靴として形になるだけでなく、更に皆が思い思いにカスタマイズを加え、個性を纏って世に出ていく。生みの親であるオボイストさんはきっと楽しくて仕方がないでしょうね。
「簡単に採寸」を言いながらしっかり測ってくれる隆太さん。サイズは24.0cmで大丈夫とのこと。採寸が一番の目的でしたので、これで一安心。あとは仕様を決めていきます。ここからが一番楽しい時間♪
マッケイ製法、クレープソール、ベガノカーフが標準仕様のオボイストモデル。オボイストさんが脱ぎ履きのしやすさや歩きやすさに配慮して固めた仕様なので、下手に手を加えるとせっかく完成されたバランスを崩してしまいかねません。
そのままでも十分カッコイイですし、基本的には標準仕様のまま行くつもりでしたが、予め一箇所だけ手を加えることにしていました。
その箇所とは、この靴の表情ともいえるストラップ部分。これをカーフからクロコに変更します。実はこの変更、2月の時点でオボイストさんからご提案があったもの。
隆太さんから「1足分のストラップが取れるクロコ革が残っている」との話をオボイストさんが聞いて、私が以前Boleroで1足目のビスポークをした際にクロコとのコンビを検討していたのを覚えていてくださり、真っ先に声をかけてくれました。
おかげでわずかなアップチャージ料で特別仕様のオボイストモデルが手に入れられることに(涙)。本来ならオボイストさんがやりたかったであろう仕様変更を譲っていただき、感謝しかありません。
更に、ストラップ以外は標準仕様で・・・なんて思っていましたが、オボイストさんがいてくれたおかげか、次から次へと革を床に広げてくれる隆太さん。
「えぇ?こんなに贅沢していいの!?」なんて思いながら、床一面に広げた様々な革の上にクロコ革を乗せて相性を確認しながらアッパー素材を探していきました。
ベガノカーフもイイですが、もっとピッタリ合う革が・・・!
それがCHARLES・F・STEAD(チャールズ・F・ステッド)のアンティークカーフ。スエードで有名な同社ですが(と、オボイストさんから教えてもらいました)、スムースレザーも雰囲気があってカッコイイ。
ベガノカーフは良くも悪くもプレーンな印象なので、クロコの引き立て役になってしまいますが、アンティークカーフはクロコに負けないくらいの主張があり、絶対に合うと確信し決定。
さらに、ソールはクレープからビブラム2055+中底へと変更し、結局ゴリゴリのカスタマイズを加わることになりました(苦笑)。想像以上に納得の仕様となり、10月の完成が待ち遠しくて仕方がありません!
何とか嫁さんの靴も作りたいと、女性用サンプルシューズもしっかりレンタルして隆太さんに別れを告げ、オボイストさんと豚汁が美味しいという「やまに食堂」へ。
豚汁は3本の指に入るほどの大好物。しかしここの豚汁は一味違って・・・。
赤だし!ぅぉおっ!またしても遠征してきた実感が湧きてきました!オボイストさんとは昼食、そして途中まで車で送ってもらう間も様々な話ができて、本当にあっという間でしたが、至福の時間でした。
この後、オボイストさんと別れ、電車で一路単身名古屋へ。長くなりましたのでここらで一息。次回に続きます。
仕事の早いオボイストさん、早速私のオボイストモデルについてレポートをアップしてくれましたので、こちらもぜひご覧ください♪
TAGS: oboistmodel・Sewn shoe-maker×Oboist | 2020年6月23日