もう1つのビスポーク、シューズとお揃いのベルトを誂える

ファッション 小物・アイテム

6月にBolero(ボレロ)でオーダーした2足目となるビスポークシューズ。完成はまだ先ですが、実はこの靴と関連して、もう少し続きがあります。

革靴をめぐる冒険【第2話】Bolero Bespoke Shoe & Bootmaker編
Sewnを後にし、次に向かったのはBolero(ボレロ)渡邊さんのアトリエ。昨年完成したビスポークシューズの里帰りが1つ目の目的、そしてもう1つの目的は次の靴の相談です。渡邊さんが優しい笑顔で出迎えてくれました。1号となったロングバンプ・プレーントゥシューズは、仮縫いを2回も行ったおかげか、1足目にも関わらず申し分のない完成度。既成靴では決して体験することのできないビスポークの醍醐味を実感でき、履くたびに嬉しくなります。そんな靴ですから容易に改善点も見つからないのですが、2足目を検討するに当たり1,2...

新たな靴の製作を構想する際、ぜひ叶えたいと思っていたことが1つありました。それは靴と同じ革を使いベルトを製作すること。当初からグレインレザーを使った靴を考えており、特殊な革を使うならベルトも揃えたいと考えていました。

アノネイのピングレインレザーを採用することが正式に決まるとすぐに、とある工房に相談を持ち掛けていました。相談先は名古屋にアトリエを構えるSusieSvelt(スージースヴェルト)の鈴木さん。

普段からSusieSveltのウォレットとキーケースを愛用していますが、オボイストさんのブリーフケースやウォッチベルトなど垂涎の品々を手掛けられており、最近ではSusieSvelt×Oboistで新たなバッグの製作プロジェクトが進行中です。

確かな腕に加え、Boleroの渡邊さんと鈴木さんは旧知の仲。革の受け渡しなど連携も取りやすいのではないかという思いもあって、お忙しい中無理を言ってお願いをし、オボイストさんのバックアップもあって快諾いただきました。

鈴木さんとはEメールでキャッチボールを繰り返し、大方の仕様はあらかじめ詰めておき、あとはイギリスから革が届くのを待つばかりの状態でしたが、10月下旬に入りようやく届き、ベルトに必要な一部の革が渡邊さんから鈴木さんのもとへ。

Eメールだけでは判断し難い部分については、遠距離でなかなか訪問することが難しいため、部分的にサンプルをお願いしていましたが、12月中旬に本番革を使ったサンプルが鈴木さんから届きました。

届いたのは剣先のサンプルとステッチカラーのサンプル、それに裏地の革見本2種です。こうして手に取って実物を確認できると感覚的に判断ができ、物事もすんなり決められるので大変助かります。

ちなみにベルト幅は35mm。現在製作中の靴はカジュアルにも合わせる前提のため、ベルトも30mmではなく、少々幅広の35mmで依頼しています。

まずはベルトの革の重ねについて。積み方を2枚か3枚で悩んでいましたが、作成いただいたサンプルは2枚合わせ。最も判断が難しかった部分だけに実物をみて、2枚合わせで十分と判断することができました。百聞は一見に如かず、ですね。

問題は厚み。当初はベルトの厚みを5mm、コバを3mmで依頼していました。

少し広めの35mm幅で依頼しているため5mm厚でもバランスは良かったのですが、やはりボリュームがあり、存在感が強くなってしまうことや、扱いやすさなどを考慮して厚さを4mm、コバ部分を2mmに変更することにしました。

次に裏地も変更することにしました。剣先サンプルに使われているのは、第一候補のワルピエ社エトルスコのヌメ革。

その他、2枚合わせ用にサドルプルアップ(ブラウン)、3枚合わせ用にアドリア(トゥルティエルグレー)を送ってもらいましたが、今回これらの候補ではなく全く別のリオショルダー(黒)を急遽手配してもらいました。

実物を見てエトルスコに決まりかけていましたが、表革のピングレインレザーの色がかなり暗めで、ダークブラウンというよりもブラックに近い印象を受けたため、裏地を黒にしたいと思っての修正です。

最後にステッチの色は、チョコ、トープ、グリーンとご用意いただいた中から、悩んだ末にグリーンにしました。グリーンが悪目立ちしないかという懸念はありますが、使うほどにグリーンの発色も落ち着いてくるでしょうし、せっかくオーダーするからにはやはり好きな色で、と。

ちなみにバックルは自分で探してあらかじめ購入しておいた35mmイタリア製の真鍮バックル。アンティークシルバーのような加工が施されたモノを選んでいます。

35mm用のバックルとなると総じて大きくなりがちですが、主張も強くなってしまうため、敢えて小ぶりのバックルを用意しました。サンプルと共に返送して活用いただきます。

残る懸念はベルトの長さ。オーダー採寸は自ら計測しているため一抹の心配があります。

そこで一計を講じて、保有するベルトの中から今では長過ぎて調整が必要なベルトを修理依頼し、オーダーベルトと同じ寸法で仕上げてもらうことであらかじめ長さを最終確認することに。

今回、サンプルを通じて完成形が想像できて興奮すると共に、サンプルのおかげで改善点も多数見つかり、より良い方向に進んでいることを実感することができました。

そんなわけで、まずは手持ちのベルトのリペアから先にご対応いただき、オーダーベルトの納期は2月末頃になるとのこと。

靴と同時進行で進むベルトについてはボレロの靴と一緒に納品してもらうよう依頼しておりますので、靴の製作スケジュール次第では確認は更に先になるかもしれませんが、セットで納品される日を気長に待ちたいと思います!

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