【投資】良品計画(7453)の利確とエヌビディア(NVDA)の打診買い

投資・マネー

4月も「投資の日」と決めた第3木曜日を迎えましたので粛々と売買を行いました。最近は株高傾向にあるため、買い一辺倒ではなくポートフォリオを精査して不要となった株は売却することにしており、今月も2銘柄購入する一方で1銘柄を行っています。

良品計画(7453)の売却とその理由

無印良品を展開する良品計画(7453)を売却しました。2020年2月末に購入していましたので、保有期間は約1年です。

米国株に投資を始めて以来、資産形成において日本株への投資は寄り道だという思いが段々と強くなり、わざわざ遠回りになるような日本株への関心は年々薄れつつあります。株主優待目当ての日本株投資に惹かれたこともありましたが、実際にやってみると届くまでは楽しみでも実際に受け取ると「こんなもんか」と感じ、「これなら配当で欲しいなぁ」などと思ってしまい、結局性には合いませんでした。一方で、投資対象とは関係なく、仕事上、IRトレンドの情報収集のために保有する必要があることから、資産形成に支障のない範囲で日本株を...

無印良品は頻繁に利用していることから大変親近感もありますし、まずまずの利益も乗っかっていたので税金を払うのももったいないな、と思ったのですが、投資方針として日本株は長期保有せず、買ってもスポット買いでいずれ利確することにしており、遅かれ早かれ売却するつもりでした。

4月14日に発表された第2四半期の決算にサプライズはなく、業績はもう通常モードに戻った感があり、伸びしろは無さそう。コロナ後への期待で買っただけにそろそろ潮時かと。

アパレル企業を悩ませている中国のウイグル産コットンの問題ですが、同社の場合、中国は売上の2割を占める成長ドライバーですし、中国産綿花の9割が新疆で採れたものですから使用継続(同社の行動規範に違反があれば取引停止)は仕方がないと思っていますが、今回売却を判断した理由は別にあります。

それは4月17日からの日米首脳会談とその後の共同声明で、中国の人権問題に対する言及が盛り込まれる懸念です。この共同声明から中国での不買運動に拍車がかかる可能性があり、どうせ売るなら会談が始まる前に売ろうと。

決算も見届け業績は通常モードに戻ったことを確認しましたし、このまま保有し続けるメリットよりも考えられるリスクの方が高くなっていることを感じ、一旦手放すことにしました。

コア10種最下位のホームデポ(HD)と、半導体の雄 エヌビディア(NVDA)を購入

一方で今回購入したのはホームデポ(HD)とエヌビディア(NVDA)の2銘柄。HDはコア銘柄10種の中で持ち高が最下位だったことから機械的に買い増し、NVDAについては今回が初めての購入となります。

NVDAの購入理由を書く前に、実は今回の半導体銘柄の選定は消去法で、台湾セミコンダクター(TSM)の買い増しに躊躇していることが、ひいてはNVDAを購入した理由の一端でもあることから、まずはTSMについて現在感じているリスクについて書こうと思います。

半導体の拡大に期待も銘柄選定は消去法、TSMCの脅威はインテルではない

コロナ禍での需要の急増で2022年までひっ迫した状態が続くと予想される半導体産業。今後10年、20年先を考えてもその需要は更に拡大し続けるものと考えています。一方でレッドオーシャンにも感じる半導体業界で、競争とは一線を画す存在がファウンドリ(製造受託)の台湾セミコンダクター(TSM)であると感じ投資しています。

そんな中、先日インテル(INTC)がファウンドリ参入を発表。今後競合するのでは、との懸念からTSMの株価が一時大きく下げましたが、INTCのファウンドリは失敗するだろうと予想しており、個人的にはTSMの脅威にはならないだろうと思っています。

一方で、個人的にはTSMに対し別のリスクを感じ始めており、買い増しを躊躇しています。それが地政学的リスクの高まりです。

インテルのファウンドリ参入がTSMCの脅威に感じない理由

余談ですが、INTCのファウンドリ進出について脅威に感じない理由は次の通りです(興味がある方以外は読み飛ばしてください)。

先日インテルが2兆円規模の新工場建設が発表され、ファウンドリ(製造受託)事業にも参入することが報じられて、TSMの株価は一時的に急落しました。

半導体工場がアジア(韓台中)に集中していることから、米政府の要請で米国内に工場建設が求められ、TSMは2020年5月にアリゾナ州に120億ドルの新工場建設を発表、サムスンも100億ドルでテキサス州に新工場を建設予定しています。

開発から製造まで垂直統合型のINTCは技術開発で遅れを取っており、一時はTSMに製造を委託する話も出ていましたが、今回の発表は当初の思惑とは正反対のファウンドリ事業参入。INTCとの競合が懸念され、TSMの株価が下落しました。

INTC製品の製造受託も想定さていただけに肩透かしを食った上に競合出現という印象ですが、INTCのファウンドリが成功するのかは懐疑的です。

確かに国防総省関連の軍事用半導体製造は、TSMがアリゾナに新工場を作るとはいえ他国籍企業に委託するよりも米企業であるINTCの方が有利。しかし、垂直統合型のINTCにファブレスメーカーが製造委託をするのは技術流出の観点からは考え難く、受託するのは技術漏洩リスクのない数世代古い半導体か、利益率の低いモノばかりではないかと推察します。

そもそもインテルは7nmでさえ苦戦している状況であり、更に進んだ5nmを安定的に作れるのは現在TSMだけですから、5nmで顧客であるエヌビディア、AMD、クアルコムそしてアップルなどはTSMの顧客であり続けるはずです。

技術開発が進めばいずれはコモディティ化される可能性がある先端の半導体ですが、それでも爆発的に増える半導体需要に、仮にINTCがファウンドリに参入してもパイの取り合いになる心配はそこまで大きくないようにも感じています。

(以上はあくまでも個人的な見解です。参考文献は下記リンクをどうぞ)

TSMCの抱える地政学的リスク

さて、TSMの買い増しを躊躇している理由は、米軍司令官が「中国は6年以内に台湾進攻の可能性」に言及した点です。現在関係が悪化している米中ですが、2022年の北京冬季オリンピックの開催を前に一旦は中国が譲歩する形で融和に動き開催に漕ぎ着けると思う一方、オリンピック後は再び強硬姿勢を強める可能性があります。

中国の半導体は3世代以上遅れており、米国が2020年12月に中国SMICをエンティティ―リストに加えたことで、部品が調達できず既に半導体不足の状態。内製化しようにも半導体製造装置も日米欧が大部分のシェアを握っており、中国は今後使えなくなります。

そこで仮に台湾進攻が現実のものとなればTSMを取り込むこととなり、中国にとっては一発逆転も考えられなくはありません。

あくまでも考えが飛躍し過ぎかもしれませんが、売り抜けるのが苦手な自分としては、リスクはなるべく事前に回避したいと思うとTSMだけに投資するのはリスクを感じました。

アームと組みCPU参入のエヌビディアを購入し、半導体クラスを補完

そんなわけで成長が期待できる半導体銘柄の保有割合を高めるべく銘柄選定をした結果、GPUで強みを持つNVDAを新規購入しました。NVDAはARMの買収を発表しているものの認可が下りるかはいまだ不透明な情勢。

そんな中、ARMと組んでデータセンター向けCPU「Grace(グレース)」を発表し、事業領域の拡大期待から株価が跳ね上がりました。

グレースはNVDAのGPUと組み合わせることでAIの処理速度が従来(INTCのCPU)と比べ最大10倍になるとのこと。INTCにとってはドル箱の事業なだけに、グレースに切り替われば痛手は大きいでしょう。

当面はスーパーコンピューター向けですが、いずれは一般PC向けも作り始めるのではないかと期待するのは自分だけではないはず。INTCやAMDは戦々恐々だと思います。

株価が跳ねたところで打診買いを始めたため、まだ少ししか買えていませんが、今後株価が落ち着いたところで更に買い進めるつもりです。

売買後のポートフォリオについて

今回も良品計画を売却した資金の半分くらいでしか購入に充てていませんので、現金比率が益々積み上がっています。

株価急落に備えて待機させていますが、年初からボラティリティが高く不安定な相場が続いていたものの、最近になり少し落ち着いてきた様子。少しずつ放出(購入)していく予定です。目下、決算発表が始まったばかりなので、様子を見て月末に追加購入するかもしれません。

とうとう日本株の割合が3.4%と新興国株の割合を下回りました。現金が10.3%、国内債券が4.3%、それに割合が大きくなっている自社株9.2%は切り崩して米国株に充てられますので、資産の1/4は投資余力として待機してある状態。家計の定期預金などはこれとは別にありますから、そろそろリスクを取りにいっても良さそうです。

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