コーヒーが恋しい季節、せっせと焙煎をして冬ごもりの準備
コーヒーがおいしい季節となりました。夏の暑い中でも汗だくになりながら自家焙煎をして、毎朝欠かさず飲んでいましたが、気温が下がると需要はますます旺盛となり、買い貯めて生豆のストックも底を尽きかけています。
物価高の影響で、コーヒーの値段も段々と上昇しており、お財布には地味に痛いですが、せっかくオーダーするならこれまで味わったことのない豆も注文したいと、候補を選定していました。生産地の情報を眺めているだけで想像が膨らみ、それだけで幸せな気分になれます。
自分は、高価な豆は買わず、毎日飲めるような手頃な価格でおいしい「デイリーコーヒー」を探すことに主眼の置いています。好みはアフリカ系、特にエチオピアの豆が大好きですが、オセアニアや中米・カリブ海の豆も好きで、この3大陸を中心にローテーションして楽しんでします。
さて、今回購入したのは、コーヒーライフの中心となるエチオピア産のシダモG2の他、新たにグアテマラ産のアティトラン・ブルーレイクハニー・ウォッシュドと、インドネシア産バリG1・ナチュラルの2種類を購入してみました。
早速新しい2種類の豆を焙煎、試飲してみましたので、ファーストインプレッションを備忘として残したいと思います。
アティトラン湖のほとりで栽培されるブルーレイクハニーは、時折欠け豆や小粒のものが混ざってはいるものの、ピックせずにそのまま焙煎しても、特に問題なさそうなくらいにきれいな豆です。
焙煎中のチャフの量がとにかくすごいですが、ピスタチオグリーンから黄色く色づくタイミング(焙煎する中で香り立つ最も好きなタイミング)の香りは甘いアロマの中にスパイシーさも感じられて、大いに期待を膨らませてくれます。
飲んでみると想像した通り、甘さの中にスパイスを効かせたような個性が立った味わいが見え隠れして、舌と鼻でそれを探り当てるようにして奥行きを楽しむことができます。シングルオリジンで飲んでも単調さはなく、口当たりから余韻まで存分に楽しめる味わいです。
一方、インドネシア産のバリG1ナチュラルは、観光都市バリで栽培された都会のコーヒー。これまでインドネシア産の豆はスマトラ式しか飲んだことがなかったので、同じ土俵で飲み比べてみたい、との思いから購入しました。
スマトラ式に比べると生豆はだいぶきれいに見えますが、白豆、欠け豆、虫食い、極小粒などが多く混じり、ピックのし甲斐があります。
火にかけると、チャフの量は少ないものの、豆自体が固いのかなかなかハゼが鳴りません。ようやく鳴ったハゼ音は非常に大きく、また高い音がすることからも固さがよくわかります。
苦みを味わいたいと中深煎りまでもっていきたかったのですが、2ハゼ目までもっていくのもなかなか鳴らずに一苦労。これから寒さが増し、ガスコンロの火力も落ちる時期を迎えますから、風のない比較的暖かい日を選ぶ必要ですね。
インドネシア産コーヒーのあの独特の風味はスマトラ式ゆえか、それとも台地が育んだポテンシャルか。その答えを求めて飲んでみましたが、スマトラ式でなくてもインドネシア産コーヒー独特のオリエンタルな味わいは健在でした。
他の産地には真似ができない独特の酸味とブリーズ感。ただし、シングルオリジンで飲むにはインパクトが強過ぎて不向きかな、といった印象。
逆に平坦なあじわいの豆や古くなった豆に1/3でもブレンドするだけでぐっと奥行きが増し、同時に相手のいい面も引き立ててくれるでしょう。ブレンドのメリットを最大限に感じることができる豆な気がします。
とまぁ、素人ながらに感想を書きましたが、個人的にはシングルオリジンで豆の個性を楽しむのが好きなので、単体で淹れても気づきの多い豆にどうしても惹かれがち。そういった意味では、ブルーレイクハニーはあじわい的にも値段的にもデイリーコーヒー候補です。
ちなみに、いつもお世話になっている松屋珈琲さんでこれまで購入した豆の中で常備しておきたいと思ったコーヒーは、シダモG2を筆頭に、ルワンダ産フルエマウンテン・ブルボン・ウォッシュド、パナマ産クアトロ・カミノス農園カツアイ種、コスタリカ産ガンボア農園ホワイトハニーあたり。
シダモ以外は常に置いてはいないので、入荷した際にはぜひとも試してみてください。
冬の間欠かすことのできないコーヒー、これからも毎週末にせっせと焙煎をして冬ごもりの準備をしたいと思います。
2022年10月29日