積年のクリームやワックスをリセット、本来の美しさに惚れ直す

冷え込みも強くなり、秋を通り越して冬支度を急がなければならない時期に差し掛かっています。靴のメンテナンス熱に火が付き、重い腰を上げてリペアに出したことは前回書きましたが、引越し後からずっとサボっていた靴磨きもようやく再開。

真っ先に着手すべきは冬場のメインとなる茶靴3足、Edward Green(エドワードグリーン)のChelsea(チェルシー)とAsquith(アスキス)、John Lobb(ジョンロブ)のPhillipⅡ(フィリップ2)。
いずれもトップリフトがだいぶ削れてリペア待ちなのですが、修理に出している靴が思いのほか時間がかかっており、もうしばらくはこの状態で履き続けないといけないので、待ちきれず磨くことにしました。
ダークブラウンはこれまでシュートゥリーで有名なコルドヌリ・アングレーズのビーズワックス配合クリームでケアしていました。補色の効果は絶大なのですが、リセットせずに上から重ねて塗っていったために、まるで塗り固められたような状態。
ところどころ拭き取り切れなかった古いクリームも残ってしまっています。
正直なところ、アスキスなんて購入時に店員さんがワックスしてくれた状態から一度もリセットしていないではないかと思われ、積年のクリームやらワックスやらを一度リセットすることにしました。

ステインリムーバーは革のためにもあまり使わない方がいいとは言いますが、今回はしっかり使って丹念に落とします。コバ周りの磨きにくい部分に特に古いクリームが滞留していて、丹念に取り除きました。
クロスにはいくらでも色移りして際限がないので、固まった古いワックスやクリームが大体取り除けたことを確認できるまで。

クロスには積年のクリームやワックスがびっしり。拭いても拭いても出てくる感じで、どれだけ厚塗りしてきたのか、と大いに反省させられます。

いつ以来?10年以上ぶりにすっぴんになる靴たち。
革自体はとてもいい革を使っているので、ステインリムーバーで落とした後も簡単なケアですぐにでも光ってくれそうですが、せっかくリセットしたのですから、リカバリーもしっかりやろうとあれこれ試案。
ブートブラックのリッチモイスチャークリームや、サフィールノワールのナッパデリケートクリームなど、まるすけさんのブログを見ながら徹底的にケアしてみようかと思いましたが、あいにく手元にはコロニルのディアマント(現・シュプリームクリーム)のみ。

洗顔後のローションは必須なように、とりあえずディアマントでケアをすることにしました。その間にケア用品や手順も考えようと、その時はあくまでも一時しのぎとして考えていました。

クロスを使わず、指で塗り込んでいくと、自分の肌にクリームを塗っているような感覚を覚えます。そして再度実感するきめ細かい革質。塗り過ぎない程度に薄く丹念に伸ばしてしっかり浸透するまで十分寝かせると、驚いたことにこれだけですっかりモチモチの状態に。
軽くブラッシングをすると透明感が出て、以前とは見違えるほど。その美しさに惚れ直しました。
どんなクリームを使おうか、どんな順番で使うべきか、など頭を悩ませていましたが、ディアマント1つでここまで持ってこれたなら十分ではないかと。そしてケアは型にはめず革の様子を確認しながら対応を考えた方がいい、という至極当然のことにようやく気が付きました。
革の様子を無視してルーティンでケアを続けたら、これまで同様ケアにも過不足が出てしまうでしょう。
それに形式にこだわっても結局自分が続かられなければ意味がなく、極力シンプルなケアにとどめたい、という気持ちもあり、今後も革の様子を見て足りないと判断した際に必要なケアを改めて考えることにました。
同じエドワードグリーンのダークオークでもやはり全然色の濃さが違うなぁと再度実感したり、革の持つポテンシャルに改めて感動したりと、気づきが多く、苦労してリセットした甲斐がありました。

ただ、トゥを見ると結構傷が入っていることも再認識できました。長年履いていれば当然ですし、むしろ愛着が湧き、マイナスに思うことはないのですが、今後も長く履き続けるなら今まで以上に丁寧に履かなければ、と。
これまでワックスを使うことには消極派でしたが、つま先やヒールなど靴同士がぶつかって傷つきやすい部分を保護するため、久しぶりにワックスを乗せることに。
パレードグロス、廃版になると聞いて買ったものの、これまであまり使ってこなかったのですが、融点が低く、伸びが良いので腕が未熟な自分でもしっかり光ってくれます。

指で点々と置き、少量の水を付けたクロスで素早く滑らせること3回程度。ここでもやり過ぎないよう、芸能人が自称”すっぴん”とセルフィーする程度に薄っすらと。
久しぶりにトゥとヒールを光らせましたが、メリハリが効いて一気にカッコ良くなりました。

ワックスは踏まれた時のやり直しの手間などから、これまで極力やらずに来ましたが、ワックスで磨いた後に仕事に履いていくと、電車内で踏まれる以外にも、社内でぶつけたり、事務用品を落としたりしてやはりすぐに磨き直しは必要になりそう。
しかし、それだけ傷つくリスクも高いということですから、保護の意味ではワックスで磨く必要性を改めて感じました。

今回、久しぶりにリセットをしたことで、それぞれの靴が持つ魅力に改めて触れることができ、また形式立ったケアではなく靴の様子を観察ながら必要なケアをすることが大事だとも感じ、気づきの多い濃い時間を過ごすことができました。
もう今後は厚塗りにならぬよう、靴との”対話”の中で何を必要といているかを考えながらケアをしていきます。その方が工数だって少なく済みますし、何よりその方がずっと楽しいですから。
TAGS: EdwardGreen・JohnLobb | 2022年11月1日