簡単な道具で本格的で美味しいコーヒーを。初心者でもできるコーヒー自家焙煎、道具からコツまで。

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焙煎したてのコーヒーを挽いて飲む美味しさを味わってしまうと、市販の豆は買えなくなります。粉になっている豆はなおのこと。かと言って、焙煎して提供してくれるコーヒー豆屋さんで購入すると200gで最低1,000円前後から。

1杯20g換算ですと缶コーヒー1本分ですから、まぁ悪くはない計算ですが、自家焙煎すればコストがぐっと安くなります。どのくらいかというと大体1/5程度に。かつ自分好みの焙煎具合にローストできて、複数の豆を自由にブレンドする、なんて楽しみも広がります。

自分も最初は自家焙煎なんてハードルが高いと思っていましたが、始めてみると案外できちゃうもので。ただ、教科書には書かれていないコツやポイントなども実際やってみた中でありましたので、自身の復習も兼ねて、少しでも参考になればと書き記しておきます。

道具を揃える。ただし最初はお金をかけずスモールスタートでOK

まず道具ですが、せっかく自家焙煎してコストを安く抑え、より気軽にコーヒーライフを楽しむのですから、道具もさほどお金をかける必要はありません。自分には向かないと断念しても後悔しない程度の道具で十分。

必ず必要なのは銀杏煎り器とカセットコンロ。あとは使い古しのドライヤーと金ザルがあればOK。銀杏煎り器はどこにでも売っていますが、私は直径23cmのモノをメルカリで購入しました。金ザルは焙煎した豆を冷ますために使うモノで正直なんでもイイです。自分なんて園芸用の土振るいを転用しています(余っていたので)。

ドライヤーは焙煎した豆を冷ますために冷風を当てるのに使いますが、奥様が使うドライヤーは決して使用してはいけません。吸い込み口から煙を吸うと、髪を乾かす時にコーヒー臭の熱風が吹き出してきて激怒されます(苦笑)。ナノケアなどの高機能は一切不要ですので、使い古しのドライヤーが実家に転がっていれば拝借しましょう。

唯一、こだわるとすればカセットコンロ。ガスレンジなら火加減が安定しており最高なのですが、とにかくキッチンがコーヒー臭で大変なことになり、煙感知器が反応するとスプリンクラーが回る可能性もあるので、どうしても屋外で焙煎することになりカセットコンロは必須です。

ただ、間に合わせの安価なカセットコンロではヒートパネルが無く、カセットガスの気化熱による冷却ですぐに火が細くなり焙煎に耐えられなくなることも。煙の関係上、基本的に屋外で焙煎することもあり、特に冬は満足に焙煎できないかもしれません。

昨年から始めたコーヒーの自家焙煎ですが、なかなか思ったようには上手くいきません。一番の原因はカセットコンロ。もうね、自家焙煎を始めてみたらこれまで使ってきたカセットコンロが使えないのなんの。本当に不満だらけ。風には弱いし、火力も長続きしない。カセットコンロには最大発熱量3.0kWとありますが、火力だけ強くても駄目なんだなぁと強く感じました。でもしょうがないのよね。元はと言えば、こたつの上でのんびり土鍋を温めるために買ったモノだから。しかし、コーヒー豆の焙煎においては全く使い物にならず、いい加減イラ...

自分は「タフまる」を使っています。ヒートパネル、ダブル風防ユニット、多孔式バーナーのおかげで安定して焙煎することができるようになりました。冬の寒空の中、ガタガタ言いながらそれでもベランダで焙煎したい人にはタフまるはオススメです(笑)。

あと、カセットガスは必ず2本用意しておきます。この理由は後述します。

ハゼを揃えるためピッキングは念入りに。欠点豆で無くても大きさや質量で取り除く

生豆の購入はいつも松屋珈琲店で注文しています。品ぞろえが豊富で格安。定番の豆から世界各地の希少な豆まで取り寄せることができます。毎月特売品も出しているので、都度新しい産地の豆を取り寄せては違いを楽しんでいます。

最小量はほとんどが1kgから。しかし値段はコーヒー店で購入する200gの値段と変わりはありません。自家焙煎するとコストが1/5、というのはそういう理由です。

銀杏煎り器の大きさにもよりますが、1回の焙煎で大体200~250gを焙煎します。1kgの購入で、4~5回焙煎できますから、豆によって浅煎り、中煎り、深煎りと、自分好みの焙煎具合やその豆との相性を色々と試すことができます。

まず、ピッキングで欠点豆を取り除きます。虫食い豆、カビ臭豆、欠け豆、未成熟豆、黒豆、貝殻豆、死豆など、産地によって欠点豆の含有量はそれぞれ異なります。中でも白くて色が薄い死豆が一番見つけにくいかと思いますが、ちょっと色が薄いな、と思ったら思い切って取り除いてしまうのが美味しく焙煎するためのコツです。

また、欠点豆以外にも、極端に大きな豆や小粒の豆も取り除いてしまいます。少々勿体無い気もしますが、これは粒を揃えて火の通りを均等化するため。粒の大きさにブレがあると小さいモノは焦げて苦味を出し、大粒だと火の通りが悪く青臭くなります。

丁寧にピッキングしたら、ザルとボールを使い水で洗います。洗い方はお米を研ぐ要領で。私は5回ほど研ぎます。洗う、洗わないは議論が分かれるところでして、洗う派の意見としては残留農薬を落とす、などが聞かれますが、自分の場合は豆の質量の確認と虫食い豆等を更にピッキングするために洗います。

研いていると前半は質量の軽い豆が、後半はふやけたチャフが浮いてくる

グレードの低い豆ほど、水に通すと浮かんでくる豆があります。質量の低い豆はやはり焙煎の際の焼きムラにつながるので、浮かんだ豆は全て破棄します。

また、生豆を研いでいるとチャフ(薄皮)が段々とふやけて剥がれ落ちてきます。焙煎しているとチャフは自然と剥がれてきますが、チャフで虫食い痕が隠れていることも多く、水洗いした後に改めて観察すると、しっかりピックしたはずの豆の中からも虫食い豆が結構見つかります。

水洗い後にまだチャフがまだ残っていても完全に取り除く必要はありませんが、事前に水洗いをしておくことで焙煎の時に簡単に剥がれるようになります。焙煎中にチャフが生豆にこびりついてなかなか剥がれないとチャフに火が移り、豆が焦げる原因にもなります。

カセットガスは2本用意、ナッツカラーに変わったらハゼが鳴り始める前に交換を

さて、いよいよ次は焙煎です。屋内に通じる扉は必ず締めておきましょう。隙間が空いていると、屋内に臭いが入り込み、カーテンなどに付着して家族の反感を買います。また、風が強い日は火が揺れて安定した焙煎ができませんので、生豆を台無しにしないためにもその日の焙煎は諦めることも大切です。

カセットガスは2本用意しておきます。これはヒートパネル搭載のタフまるを使っている今でも行っています。いくらヒートパネル搭載でも気化熱で段々と火は弱くなっていきますし、ガス残量が少なくなれば尚更。そのため、1本のガスを使い切ってから次のガスを使うのではなく、1回の焙煎で2本のカセットガスをリレーすることがポイントです。

1本は生豆の乾燥から1ハゼ(豆がハゼる音のこと)前まで、2本目で1ハゼから最後まで焙煎します。ハゼの時には安定した火力が欲しいので、1本目には残量の少ない方のカセットガスをセットして、序盤の乾燥から色が変わるところまでを行い、ハゼ本番は残量が十分にあるカセットガスを使って焙煎します。

銀杏煎り器は蓋が付いていますが、焙煎の際は色の変化や焦げが無いかの確認などを目視で行うため、蓋は開けたままで焙煎します。手網の振るい方は豆を回すようにとか、返すように、など様々ありますが、常に動かし続けてなるべく豆全体に火が当たればOK。

焙煎中、手網を振るい続けるのは結構疲れますので、自分の場合、一度に焙煎する豆は200gくらいがベスト。欲張って250gにするとちょっと重たくてしんどくなってきます。左右の手で交互に持ち替えて銀杏煎り器を休まず動かし続けます。

水で洗った豆を乾燥させる際、急いで乾かそうとするとチャフに火が付き煙が出ますが、これは火に近づけ過ぎのサイン。火足が豆に触れる必要はありませんから、煙の立たない距離感をこの乾燥の段階で掴むといいでしょう。豆が次第に乾燥し、鮮やかなピスタチオクリーンに変わってきて、少しずついい香りがしてきます。

ピスタチオグリーンからナッツカラーに変わるタイミングでカセットガスを交換する

ピスタチオグリーンから段々とナッツのような茶褐色に変化してくると香りにも深みが出てきます。この際に火に近づけ過ぎるときれいな茶褐色の中に焦げ豆がチラホラ出てしまいます。取り除こうと素手で触ると火傷しますので注意。この段階が1ハゼの直前ですので、カセットガスを2本目に交換して1ハゼを待ちます。

「パチンッパチンッ」という大きな音で鳴るのが1ハゼ、「チリチリ」もしくは「ピチピチピチ・・・」と鳴るのが2ハゼ。火から上げるタイミングは音で判断します。

ピッキングを徹底し、粒を揃えることでこのハゼのタイミングが揃うようになります。粒が揃わないとハゼがダラダラと鳴り続け、1ハゼ目が鳴り終わる前に2ハゼ目が始まってしまい、火から上げるタイミングがわからなくなってしまう可能性があります。

こちらは1ハゼ終了後、2ハゼが聞こえた瞬間に火から上げた浅煎り。色が薄めで香りが強い
2ハゼをしっかり確認したあとで火から上げた中深煎り。表面がオイリーで苦味が引き立つ

ハゼは豆によって個性が異なるので自家焙煎をする中での面白さの一つ。ただ、聞き入ってしまうとイタリアンローストになってしまうので、「ここだ!」と決断し、火から下ろす必要があります。

しっかりピッキングをして粒を揃えていると、1ハゼのピーク(大合唱)があり、しばらくすると少し落ち着いてきて、今後は1ハゼよりずっと小さな音で「ミチミチ・・・」「ピチピチピチッ」という2ハゼ目の音が聞こえてきます。

この2ハゼ目が鳴り始めたのを確認したら、(もっと聞いていたくなる気持ちを抑えて)火から上げるとミディアムからちょっと進んだシティローストになります。多分、このロースト具合が、火から上げるタイミングを計りやすく、豆の種類を問わずに香りと苦味のバランスの取れた焙煎具合となりますので、初めての豆を焙煎する場合にオススメです。

火から上げても焙煎は進行するので、すぐに金ザル等に移しドライヤーで冷風を当てて冷まします。チャフが盛大に舞い上がりますのでご注意(苦笑)。手で触っても大丈夫なくらいまで冷ましたら、豆を確認してみます。焼きムラのある豆や色の薄い豆(ピッキングしきれなかった死豆や未成熟豆)がチラホラ見つかりますので、このタイミングで更に取り除きます。

焙煎後はコーヒー豆から炭酸ガスが放出されますので、すぐには密閉せずにしばらく放置した後、キャニスターなどに移します。焙煎後は一晩置いた方が味がはっきりしてきますので翌朝を楽しみに寝かせます。自ら焙煎したコーヒーをゆっくり味わいながら、次の焙煎具合をどうするか考えるのもまた楽しいものです。

デイリーコーヒーを自ら焙煎する贅沢

そんなわけで、この1年半ほど試行錯誤しながら取り組んできましたが、こんな自分でもさほど苦労せずに焙煎できていることを知っていただき、少しでも心理的なハードルが下がって多くの人に挑戦してもらえたら嬉しいです。正解はないと思いますので、皆さんも実際に焙煎しながらそれぞれのコツを掴んでいただければと思います。

一番難しく感じたのはやはり火から上げるタイミング。そのタイミングをきちんと判断するためにも念入りなピッキング(粒・質量を揃えてハゼを揃えること)と、2本のカセットコンロをリレーさせることが私の経験から学んだ一番のコツです。皆さんがコーヒー自家焙煎する際の一助になれば幸いです。

1週間分のコーヒーを週末に焙煎して毎朝味わう贅沢、ぜひ一人でも多くの人に堪能していただきたいです。きっと他所(よそ)では飲めなくなりますから。皆さんにとってこれまで以上に充実したコーヒータイムが訪れますように!

それでは、また。

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