【投資】日本株:レゾナック・ホールディングス(4004)を新規購入

投資・マネー

このところ、気になる目柄をちょこちょこと打診買いをしているので、いちいちブログに書くことが億劫になりかけていますが、将来、当時の投資目的を再確認する際、誰よりもまず自分のためになるので、記録をしておきます。

化学品大手のレゾナック・ホールディングス(4004)を新規購入しました。

2023年に昭和電工と日立化成が合併して誕生したレゾナックは、日本の化学業界で第8位に位置する大手化学メーカーです。モビリティ、ケミカル、イノベーション、半導体・電子材料と4つのセグメントを有しており、その中でも特に力を入れているのは半導体・電子材料分野になります。

今回の投資目的もやはり半導体関連事業への期待であり、同社への期待はもちろん、今後の半導体業界全体の動向を見守るためにも購入することにしました。

半導体材料の市場規模は、2023年で465億ドル(6.5兆円)で、2027年には+14.2%増の568億ドル(8兆円)規模に拡大することが予想されます。半導体材料は大きく分けて、①「設計」、②「前工程」、③「後工程」に分けられます。

①「設計」は回路設計で主にフォトマスクの作成、②「前工程」でウエハーに回路を形成、③「後工程」で切り出したチップを実装します。保有する東京応化工業(4186)は、前工程のフォトレジストを手掛けており、世界シェアはJSRに並びトップクラスです。

【投資】日本株:レジスト世界首位級の東京応化工業(4186)を新規打診買い
TOKは半導体製造に欠かせないフォトレジスト(感光体樹脂)で世界首位級。配当利回りも約2.5%あり、また株価的にも割安感を感じました。 現在、台湾セミコンダクター(TSM)やエヌヴィディア(NVDA)を保有していますが、株価の変動が激しく、ハラハラしがちなので、半導体"材料"くらいの方が精神的に落ち着いて観察できそう。

ただし、この前工程には市場規模に対してサプライヤーが多過ぎる感があります。フォトレジストだけでも、JSR(26%)、東京応化(26%)、信越化学(18%)、住友化学(10%)、富士フイルム(10%)と、日本企業で約90%を占めますが、5社がしのぎを削っています。

一方、後工程は封止材やBTレジンなど、多岐にわたり、前工程ほどの市場規模はありませんが、回路の微細化に限界が見え始める中、注目されるのは後工程のパッケージング技術。レゾナックはこの後工程で断トツのシェアを誇ります。

世界の先端半導体製造をリードする台湾のTSMCは、3ナノ、2ナノと、より微細な加工技術を確立していますが、これ以上の微細化は難しくなりつつありますが、これらのチップを重ねることで高集積化し、より複雑で高速な半導体にするために注目されているのが後工程のパッケージング技術です。

同社は、従来の半導体で用いられる固形封止材で2位、ソルダーレジストで1位、銅張積層板で1位のシェアを誇る他、AI向けプロセッサで用いられる熱伝導剤(TIM)で1位、ノンコンダクティブフィルムで1位、アンダーフィルで2位、感光材(絶縁)材の上市を開始するなど、後工程の売上で2位以下を大きく引き離しています。

また、北米大手半導体ビジネスが結集する先端半導体コンソーシアム「TIE」に材料メーカーとして初、そして非日本企業としても初となる戦略的パートナーとして参画し、シリコンバレーにパッケージングソリューションセンターを設置する予定です。

一方、現在日本国内において再編が進む石油化学品事業については、レゾナックは大分県にエチレンセンターを1基有しておりますが、4気が密集する千葉・市原などと比べ比較的稼働率が高く、過剰生産分の輸出についても中国への輸送コストが低く抑えられています。

レゾナックは、この石油化学事業の分社化(パーシャルスピンオフ)を検討している他、合併から現在に至るまでに既に多くの事業の売却・譲渡を次々に進めてきており、積極的な事業の集中化を図っています。

変化の激しい半導体業界において、今後の半導体業界の行く末を見据えて次々と決断し行動するレゾナックのアグレッシブな姿勢からは、日本企業らしからぬ思い切った決断力とどん欲さを感じ、つい応援したくなります。

エチレン事業など、いまだ基礎化学品を抱えているため、ここ数年の業績は赤字と黒字を行ったり来たりしており、業績だけでは投資判断はし難いのですが、数年後のレゾナックの将来に期待して今から少しずつ買い進めていきたいと考えています。

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