【本】お金という人生の呪縛について

久しぶりに、読んだ本の備忘録を兼ねて少し。

生きる上において、少なくとも自分の今いる環境においては、お金は必要不可欠だ。しかし、お金を崇高なモノ、価値あるモノ、と何か特別なモノのように考えるのは大きな誤解だと常々思っている。自分もサラリーマンだから、お金のために働くし、お金のために時間を費やす。それは確かにその通りなんだけど、生きるためのお金であるはずが、お金のために人生を削ることになってしまっては本末転倒だろう。そんな中、最近本屋で見かけた本のタイトルに惹かれ、ちょっと気になって読んでみることにした。

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「お金が人生の呪縛であってはならない」そんな自分の考えを代弁してくれる本ではないかと期待して読んでみたが、残念ながら内容はモーレツ社長の「お金は後からついてくる」的内容の本で、お金とは、という真理について書かれた本ではなかった。正直自分の意図している内容の本ではなかったが、文献がないなら自分で考えてみよう。たまには頭を使うのもいいかもしれない、という心境に至り、以下思いのままにつらつらと・・・。

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決してお金を貯めること自体を否定するつもりはない。しかし、お金そのものに価値があるわけではなく、物事の対価として交換してはじめてお金の価値も生まれることを忘れてはならない。自分が考える一番価値あるお金の使い方は、嬉しい、楽しい、美味しい、といった人生を豊かにする体験や思い出といった類いのモノを得るためにお金を使うこと。言い換えるなら今という瞬間を楽しむために使うことだ。そんなことは一瞬で、終わった後には何も残らない、と人は言うかもしれない。しかし、掛けがえのない記憶、経験、思い出はずっと残る。将来のために貯金も悪くはないが、使い道は同じでも、将来と今ではそもそも得られる内容が違う。そしてその後の影響力や価値観も異質のものになる。だから、今しかできないことにお金を使うことが一番価値ある使い方なのだと信じている。今しかできないこととは何か?友人との他愛もない時間、家族との日々の思い出、今夢中になれることや、自らの成長につながる経験・・・、今できることが将来もできるとは限らないから。

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借金はしたくない。負債を抱えた人生はまさに「呪縛」でしかない。借金を返すために働くなんて真っ平御免だ。だからマイホームにはほとんど興味がない。家は莫大な借金が残るが、体験には思い出が残る。家は購入した瞬間から価値を失っていくが、思い出は年を重ねるごとに純度を増して色鮮やかに残っていく。マイホームを持つことを否定はしない。しかし、マイホームと賃貸で生涯にかかる費用に大差はないのならば、自分は夢という名の重荷を背負うことなく自由の身でいることを選びたい。

物欲も同じだ。お金を物品に変えてその先に一体何が残るかを考える。手にしたモノの先に、より豊かな人生が続いているか、それとも所有する一時的な満足感と引き換えに不幸を背負うか。多少大げさだけど、労働の対価としてお金を得ている現状では、人生の一部を割いてモノを買っているのと同じだ。不労所得を得るには至っていないのだからそう考えるのが当然だと思うし、そうすることでお金もモノも、そしてそのために削った自分の人生にとっても救いになる。だからそんな気概でモノを選びたい。

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自分は今、舟で川を下っている。止めることのできない川の流れに乗ってゆっくりと、しかし確実に舟は進んでいる。周囲には様々な風景が広がっている。上流では上流でしか見れない景色があり、下流には下流の景色がある。僕は今も刻々と変化するこの景色を、この目にしっかり焼き付けていきたい。五感を使い、そこから感じられることをしっかりと感じ、時には大切な人達と分かち合いながら、この時間を胸に刻み込みたい。川の流れに逆らうことはできないが、時にはアンカーを下し、風景を切り取るゆとりを得るためにお金を使いたい。いつかこれらの記憶は河口へ向かうに従って、自分にとってより価値あるものに変わっていくはずだから。30歳を過ぎ、見える風景が変わりつつある今、そんなことをとても強く感じている。

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