思い出の価値は・・・。
少し前のことですが、調子の悪いパソコンに見切りをつけ、新しいパソコンに
乗り換えました。
ちょうど特価が出ており、Dell(デル)からHP(ピューレットパッカード)へ、
かーなりお得に更新できました。
本当はポータブル用としてMacBook Airが欲しかったのですが、
突然のフリーズ、シャットダウンが続き、慢性的に不安な状態でしたので、
完全に壊れる前に対処することに。(我ながら英断だったかと・・・。)
しかし、過去には外付けハードディスクが完全に壊れ、すべてのデータを
失ったこともありました。
中にはバンドの録音音源やホームページのデータ、結婚前の友人たちや
嫁さんとの思い出の写真など、20代の思い出がぎっしり詰まっており、
当時は1ヶ月あまり、立ち直ることができず・・・。
で、そのハードディスク、どうしても処分することができずに何年もの間、
捨てずにクローゼットの奥にしまっておりました。
最近、新しいパソコンにデータを移行・整理する中、ふと思い出し、
修復できるのならもう一度取り戻したい、と強く思うようになりました。
設備環境や情報セキュリティ、秘密保持の信頼性、そして復旧実績などから
業者を選定し、ここなら間違いのないと思われる会社に見積もりを依頼。
(思い出に紛れて人には見られたくない恥ずかしいモノも入っていますので・・・。)
当初は40万円という法外な見積もりが出てきて、さすがに諦めかけましたが、
納期を遅らせる等の交渉を繰り返し、最終的には10万円ちょっと。
費用の妥当性については専門家ではないので高いか安いかはわかりませんが、
思い出に費やせるギリギリの金額に収まりました。
きっと、これから時を重ねるごとに、ますます思い出の価値も増していくでしょうし、
ハードディスクの復旧の難易度も上がっていくことでしょうから、
「いつやるか・・・?今でしょ!」と勢いも借りて作業を依頼したわけです。
久しぶりに再会をした思い出の数々に自然と笑みがこぼれてきました。
大好きなバンド仲間との記録や、自分が録音したヘタクソなベースライン、
そして若き日の嫁さんとの思い出など、
その価値は誰にもわかってはもらえないでしょうが、今とても満たされた思いで、
(まるでお菓子のオマケが何かドキドキしながら開封する子どものような気持ちで)
一つひとつのファイルを眺めています。
目から、耳から伝わり、よみがえる懐かしい記憶とともに、最高に楽しく、最高に
メランコリックな感情が心の深いところから間欠泉のようにこみ上げてきて、
僕の心を鷲掴みにして離さず、感情を激しく揺さぶって・・・。
思い出は今を生きる糧なのだと、そう思わずにはいられません。
だから明日もまた、過去の自分に恥じない生き方をしよう。
そう思うのでした。
2013年3月13日