若いながらも歴史あり【3】Soffice&Soild(ソフィスアンドソリッド)
大切なクリスマスの思い出
時々思い出し、書こうと思いながら一向に進まないこの企画。ようやくの第3回はクリスマスの思い出深い一足についてです。
革靴にのめり込み始めた頃手にしたSoffice&Solid(ソフィスアンドソリッド)の靴が今回の一足。
トレーディングポストとユニオンロイヤルのコラボレーションで誕生したソフィス&ソリッドは、ボロネーゼ式グッドイヤー製法という珍しい製法で作られており、イタリアのしなやかさとイギリスの堅牢さを併せ持つというコンセプトでスタートしたブランドです。
当時は右も左もわからず、アメリカ靴はアンパンみたい、イギリス靴はゴツイし痛い、イタリア靴はノングノーズが嫌、という中で、初めて手にした日本ブランドの靴になります。コバの張り出しが少なく、トゥも長過ぎず丸過ぎずで、パーフォレーションやカラーなど、デザインがモードにもクラシックにも映り、とにかく中庸な感じが良かった。また、足の小さい自分にとって初めて自分の足にあったフィッティングを体感することができたのも大きな発見でした。この靴を通じてトレーディングポストの店員さんから丁寧に革靴のイロハを教えてもらい、本格的な革靴へと足を踏み込んでいったことを記憶しています。
そしてこの靴、実は当時付き合っていた彼女に初めて貰ったクリスマスプレゼントなんですよね。この靴と、勧められるがままにコルドヌリアングレースのシュートゥリーをセットで。当時5万円ちょっとしたでしょうか。プレゼントされて、大人の女性と付き合っていることを実感したものです。
それからすでに7年以上が経過し、今年もクリスマスがやってきました。その間にその彼女とも結婚、これまでの移りゆく時代をずっと足元から支えてくれた思い出深い一足です。
さて、そんな靴ですが、最近ではエイジングが進み、手入れの方法も見直さなければいけない時期をむかえました。
以下は今年の夏に撮影した靴の写真。
複雑で細かい履きシワが入っています。革はフランス・アノネイ社のレザーを使っているとのことですが、足のなじみは良い反面、細かいシワが他の靴と比べても多い。正直あまりイイ革ではないかもしれません。
右足はもっとシワシワ。ここまで来るともっとしっかり手入れしていかないとアッパーが寿命をむかえ、これ以上履けなくなるかもしれないという危機感を抱きました。
ソールに穴が空いてもオールソールをせず、上からハーフラバーを貼って対応し、その後はいつの間にか天候が不安な日での出番が増え・・・老体にムチ打ちっぱなし。
ハーフラバーに穴が空いたら今度こそオールソールを・・・なんて思っていますが、とにかくこのままではイカンと、つま先を補修し、手入れの方法も変更しました。
これまでM.モゥブレィの乳化性クリーム(バーガンディ)で磨き続けてきましたが、これまで以上にケアが必要と感じ、また今後は齢相応、自然なエイジングを見届けたいと、ディアマントとサフィールノアール・クレム1925のニュートラルを使い磨いています。そしたらまぁ、革に残った余分なクリームがごっそり落ちること落ちること。昔からクリームの付け過ぎだったことを大いに反省しています。
それから4ヶ月ばかり、クリームを変えたこともあってか、最近艶が蘇ってきたように感じます。
バーガンディも余分なクリームの色が抜け、多少ムラ感が軽減され、革本来の色や透明感も出てきました。
英・米・仏・伊・西と、その後色々履いてきましたが、この靴に対して今でもきれいなシルエットだと感じることに変わりはなく、変わらぬ愛着を抱いています。
オンオフ問わず、仕事もデートもバンドのライブの時でさえも、これを履いて飛んだり跳ねたりしてきました。これまで以上に手入れを続けながら、末永く、気の置けない親友のような付き合いを続けていければと思っています。
今日はクリスマスイブ。どうか素敵なクリスマスイブをお過ごしください!それではまた。
TAGS: Soffice&Solid | 2013年12月24日