【CD】Stephen Malkmus & The Jicks/Wig Out at Jagbags

音楽・カルチャー

突然の朗報

バタバタしていた1月。そんな新年早々、まさかStephen Malkmus(スティーヴンマルクマス)の新譜が出ているとは露知らず、大学の友人から伝え聞いて、先日ようやく拝聴することができました。

炭酸の抜けたソーダ水のような、ちょうどそんな音楽を欲していたこの時期に届いた朗報はあまりにもタイムリーで、嬉しさと懐かしさを持ってしばらく聴き入っていました。

以下は私のノートより感想のようなものの転記です。興味のある方のみ続きをどうぞ。


 ローファイに酔いしれる

ヘロヘロなギターに思わず笑みがこぼれてしまった。その面影の残るサウンドに懐かしさがよぎったせいだろうか。

Pavement(ペイヴメント)との出会いは大学のサークルの新歓コンパだったか。まるで綱渡りような不安定さをむしろ楽しむようなサウンドに僕らは得も言われぬ心地良さを感じた。音と音の隙間を埋めるようなことをせず、スカスカなオケの隙間をスティーヴンの歌声が頼りなくすり抜けていく。しかし、その瞬間がこの上なく気持ちよく僕らを魅了したのだった。

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そんなマルクマスがソロ活動を始めて、僕はライブにも足を運んでペイヴメントとは違う一面を見てきた。オルタナティヴ・ロックの中でも異彩を放ったペイヴメントのサウンドとは距離を取る様に、彼の紡ぎ出す音楽はペイヴメントとはまた異なる魅力に満ちていた。

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ライナーの解説にもある様に、これまでのスティーヴンは、ペイヴメントの音楽から敢えて距離を置いてきたという。オルタナ全盛に一時代を築いた彼にとってそれは必要なことだったのかもしれない。

そんな彼が今、ペイヴメントの(期間限定にせよ)再結成を果たし、前作「Mirror Traffic」で過去に歩み寄ったことが印象的だっただけに、その流れを汲んだ今作は、これまで以上にとても自然で開放的な音楽に仕上がったと思われる。

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バンドからソロへ、それぞれのステージでキャリアを積み、幅を広げたスティーヴンが、原点回帰することの意義は大きい。信頼できる仲間に囲まれながら自然体から生まれたこのアルバムは、彼の無垢なサウンドがストレートに感じられ、時折見せるイタズラ心あるトリッキーな調子にも名残を感じ嬉しくなる。

どこまでも緩くローファイ感がたまらない。スティーヴン・マルクマス、ここに究めり、といったところか。

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