【本】藤原和博の必ず食える1%の人になる方法
パチンコはするか、ゲームはするか、読書はするか
昨年末から忙しさにかまけて読んだ本をまとめる作業をしばらくサボっていました。最近は少しずつ余裕を持てるようになったので、時間を見つけてまとめていいたいと思っています。
で、今回は自称「教育界のさだまさし」こと藤原和博氏の著書について。私は母譲りのさだまさしのファンですが、頭部と話が面白いところは確かに似ているかもしれません。
本の趣旨とは異なりますが、著者は日本のモノ作りにこだわり、「つなぐ力」で職人と共にこれまで無かった時計やカバンを作り出しており、またソメスサドルのカバンを愛用しているのも何だか親近感が湧きます(藤原和博さんのホームページ「よのなかnet」)。
先日、著者の公演を聞く機会にも恵まれ、非常に興味深い話を聞くことができましたので、その辺も踏まえて以下にノートより感想のようなものの転記です。興味のある方のみ続きをどうぞ。
タイプ別に当てはめたがる傾向の日本人にはうってつけの本?
この著書の中で著者は、今後日本はさらに二極化が進み、新中間層(年収200万円から400万円の層)が形成されていくという危機感と、グローバル化し多様化する生き方を見据え、時代の変化の中でも食いっぱぐれないための生き方を指南している。そして人生の価値観も多様化する中で、モデルタイプを4つに示し、読者に対しそれぞれの生き方を模索するよう導く内容となっている。
要は一人ひとりがプロとなり、社会にとってのコア人材となることで自分の希少性を高めれば食いっぱぐれることはない、という趣旨であるが、その内容は先に読んだ「ランチェスター戦略」に相通ずるものがある。プロのレベルと言える100人に1人の人材になること、それは難しいことではなく「7つの条件をクリアすればだれでもなれる」(1/2の7乗=1/128)とし、さらに異なる分野でも100人に1人の逸材になれば、オリンピック金メダリストや世代で1番となる1万人に1人の逸材にもなれる(1/100の3乗=1/10,000)という。著者は、1つのことを極めて1万人に1人の人材になるより、掛け算ではるかに楽に登り詰められるのだという。言うは易しではあるが妙な説得力がある。
4通りのモデルタイプの話は、自分を型にはめたがる日本人にとっては食いつきがいいはず(実際に自分も食いついたわけだが)。しかし著者は、リクルート社でサラリーマン人生をスタートし、人を結びつけるプロとして退職、同時に同社フェローに就任。その後は和田中学校で校長として教育の現場で活躍し、今や公演活動の合間、時計やバッグをプロデュースするという型破りの経歴の持ち主であり、型にはまるような人ではない人が書いているからなんだか面白い。一通り経験してきた著者の処世術として読むことをオススメする。
先日、著者の公演の聞く機会に恵まれたが、これがなかなか面白く。個の時代だからこそ「つなぐ力」の重要性を強く主張し、著書も出し、本人が実際に体現されている。右から左へと処理する能力は新興国や機械が取って替わり、これからは情報をつなぎ合わせて新たな価値を生み出す力が求められているという。受験勉強で詰め込み学習をしてきた自分たちの世代にはなんとも耳の痛い話だ。
TAGS: 藤原和博 | 2014年2月19日