既製服を直す難しさ
SARTOに行ってきた
久しぶりにSARTO(サルト)銀座店に行ってきました。コートやパンツなどでは結構お世話になっているのですが、ジャケットの直しはZ Zegna(ジーゼニア)のジャケットを直して以来ですので実に3年ぶり。その間、スーツやジャケットはずっとオーダーで仕立てていたということになります。
(過去の記事)
(LARDINI/EASY)
今回持ち込んだのは、先日購入したLARDINI(ラルディーニ)のEASY(シングルジャケット)。このジャケットのお直しを通じて、既成服のリペアの難しさを改めて感じることとなりました。
特に今回は、このジャケットがブロックチェック柄であり、しかもコンプレックスの多い私の体型も相俟ってかなり難しくした部分もありますが、備忘録として記録しておきたいと思います。
1.腕が短いと完全な本切羽にできないことがある
袖丈を詰めた上で本切羽で袖ボタンの仕上げを希望した場合、袖口からの詰める長さにもよりますが、場合によっては完全な本切羽に仕上げることができません。
私の場合、腕が短い上にシャツの袖口もしっかり出したいので、結構な長さを詰めることになります。袖口3.5cmからボタン付け始めた場合、ボタン3つ目までは本切羽で開くことが可能とのことですが、4つ目は飾りになってしまうとのこと。
レディメイドの場合、袖の長さも標準的な長さで仕立てられていますから、本切羽希望なのに削る長さが長いと、今回のように一部飾りか、もしくは袖を一度外し肩口から調整する必要が出てきます。もちろん金額的にも高額になってしまいますから判断は難しいところです。
2.ブロックチェック柄の場合、腕の長さに差があると詰める長さが難しい
無地であれば左右の袖丈の長さが異なっていても問題はないのですが、ブロックチェックの場合、袖の長さも左右対称でないとすぐに違いに気付かれてしまいます。そのため、今回は腕の長さに合わせるのではなく、左右対称を保つために詰める長さも左右揃える必要がありました。
私の場合、腕の長さが左右で1cmほど違いますので、本来ならそれぞれの腕の長さに調整してしまえばいいのですが、上記の理由から店員さんと相談しながら、両方の腕のバランスを見て同じ長さで詰められるギリギリの長さを見出すことにかなり苦労をしました。
元々腕の長さが同じならこんなに苦労しないのでしょうが、授かりモノですからこればかりは憂いても仕方ありませんね。
3.なで肩の場合、襷皺(たすきじわ)が気になることも
「ちょっと気になりますね」と店員さんに言われたのが着衣時の襷皺(たすきじわ)。私のような極度のなで肩の場合、両肩から脇に向けてタスキをかけた時のようなシワが入ることがあります。
寸法を測ってみると、春にオーダーして作ったトレーニョのコットンリネンジャケットと驚くほど一致しているのですが、着てみるとシワとしてはっきり違いが出てきます。
基本採寸だけではわからない肩の傾斜角によるシワは、中にベストなどを着ることで多少軽減されたりすることもあるようですが、直す場合は1万円以上かかるとのことで悩ましいところです。
4.他にも色々気をつけることがたくさん
その他、ケースが厚い時計をした場合、シャツの袖口の開始位置が違うことから袖丈の長さを気にしなければならなかったり、チェック柄のブロック1辺の長さを考慮して調整しなければいけなかったりなど、今回想像以上に苦労して、つくづく洋服のお直しは大変だなぁと感じた次第です。
レディメイドならではの雰囲気を楽しむか、フィッティング重視でオーダーにするか、こればかりは経験から見出さなければいけませんが、今回改めてオーダーメイドってすごく楽なんだと思い知らされました。
さて、今回のお直しは9月中旬頃の完成と言うことで、秋には十分間に合いますね。どんな感じに仕上がるか、現在のところ、期待半分、不安半分といったところです。