受け継がれゆくモノ

あと2週間で生後6ヶ月を迎えるハルを抱っこすると、必ずと言っていいほど腕時計を不思議そうに眺め、ずっと触っています。まるで何かを確認するかのように。
キラキラ光ることが気になるのか、それとも丸く美しい形状が気に入ったのか。
「価値がわかるようになったらあげるからねぇ」なんて話していますが、この時計を譲る日はいつになるでしょうか。
願わくば、自分が初めて手にした機械式時計が、彼にとっても最初の機械式時計になれば、なんて思ったりしています。
この先、彼が若いうちから時計について興味を持つのか、それとも自分が死んだ時に形見分けで受け継ぐかはまだわかりません。
しかし、自分の持ち物の中で時代を越えて子どもに継承できるモノを考えた時、思い当たるものは腕時計くらい。
そう思うと、時計について不思議な感情が芽生えてきます。
今は僕の腕で時を刻み、いつしか彼の腕でも時を刻む。時計は人の思いを乗せて受け継ぐバトンなのだと。
だから、今はまだ僕の腕で大切に、静かに時を刻んでもらおうと思います。そしていつか彼に受け継ぐ、その時が来るまで。
TAGS: Omega | 2015年10月17日