OWELの「Paris」は、控えめに言って「最高!」だ

音楽・カルチャー

4月1日、新年度を迎えた朝の通勤電車。

電車に揺られながら聴いた彼らの新たな音楽に、頭の中でファンファーレが鳴り響くかのように、胸のすく思いがした。

半年近く待ったOWELのフルアルバム「Paris」。待望の新譜ゆえに自ずと期待は膨らんでいたが、その期待値の遥か上を行く作品であると確信した時の昂揚感。満員電車の中、自然と顔がほころび、ほくそ笑んでいたに違いない。

セルフタイトルのデビュー作を聴いた時に感じた彼らの無垢な美しさは一向に濁ることなく、むしろリリースを重ねるごとにその純度を増し、優しさとナイーブさと力強さを持つ彼らの音楽が研ぎ澄まされているのを強く感じる。

今作の中で彼らがこれまでと比べて特別変わったにトライしているわけではない。彼らの音楽はファーストをリリースした頃からすでに確立されていて、リリースを重ねるごとに更にろ過し、濃縮し、洗練されたものへと高めているに過ぎない。

1曲目の「Weather Report」、ちょっと聞いただけで否応なしにこのアルバムへの期待がぐっと高まる。買う前にプレビューでこの曲のイントロだけでも聞いてほしい。はじまりへの期待にゾクゾクさせられるはずだから。

そして、シングル曲という位置付けの3曲目の「I Saw Red」。センチメンタルで静かな曲だが、彼らの音楽の真骨頂といった感じで、このアルバムの象徴的な曲であり、彼らの作る音楽の美しさが最も実感できる1曲。

5曲目の「No Parachutes」や8曲目の「Roma White」など、静かで繊細な入りから明るく開放的に展開するキャッチーな曲が、アルバム全体のスピード感を失わせず、聞き手にプレイ中の離脱を許さない。

個人的に好きなのは10曲目の「Jumble Gem」と11曲目の「Didn’t I」。アルバムのラス前を飾るのにまさに相応しい2曲。ストリングスや鍵盤を多用する彼らの音楽の良さを存分に体感でき、かつクライマックスへと駆け上がる重要な曲だ。

僕の拙い言葉で紹介したところで良さの数パーセントも伝わらないだろうが、今作は控えめに言って「最高!」だ。

どうやらCDでのリリースは無く、ダウンロード配信のみの様子。 百聞は一見に如かず、まずはiTunesストアなどでプレビューを通じて音源の一部を視聴して欲しい。

いつか日本で、彼らの音楽に直接触れてみたい、強く、強く。「Paris」を聴いたらそう思わずにはいられない。

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