【CD】FINK/Bloom Innocent
ここ数年、自分が心酔しているアーティストがOWELとFINK。そのFINKの新譜が届きました。国内盤はリリース予定がないため、今回も輸入盤を取り寄せて毎日聴いています。
しかし、FINKは「Hard Believer」以降、音源をリリースするたびに音楽が深化していき、聞き手を試すように、または振るいにかけるように難易度を増しているように思います。
有り体な表現でいえば、観念的で魂を揺さぶる音楽。音楽でありながら静まり返るような、いや静けささえも音で表現するような静かな音楽だ。
そこにあるのは耳当たりの良さではなく、耳を研ぎ澄まさなければ感じ取ることができない孤高の音。繊細な音が震わせるのは鼓膜の先のもっと奥深くで、琴線に共鳴し震わせる。
最後の灯が一瞬煌めいて燃え上がり、そして潰える刹那の瞬間をこのアルバムに感じる。
まるで信者が神にすがるように、音の奥にある本質に耳を傾ける姿勢を聞き手に求める。ただし、そこにあるのは心地良さでも安らぎでもなく、混沌とした空間のみ。
気軽な気持ちで聞くには、はっきり言ってオススメできない。
TAGS: Fink | 2019年11月19日