2足目のビスポークシューズを構想する
年末に完成したBolero(ボレロ)のビスポークシューズに足を通したり、磨いたりしながら次に作る靴へと思いを馳せています。
そのフィッティングには履くたびに感動しますし、これが1足目とは思えないクオリティーと完成度。作っていただいた渡邉さんが見ればもっと改善の余地があるのかもしれませんが、私には今のところ見当たりません。
完成を待つ楽しみと、想像の遥か上をいく完成度の靴を手にした時の感動とで、すっかりビスポークの味を覚えてしまいました。
おいそれと次の靴を作るほどの余裕はありませんが、まもなく第二子も生まれてきますし、40歳も目前に迫っていることもあり、次のビスポークシューズについて今のうちから構想を膨らませ、計画を前に進めていきたいな、と考えています。
出産の記念に作るなら、子どもに踏まれても平気なグレインレザーは魅力的ですが、ただ堅牢さを求めるがあまり用途を限定するような靴をビスポークするのはちょっともったいない気がしていて。それなら既成靴でもパターンオーダーでもいいわけで。
グレインレザーという素材に惹かれはするものの、これまでずっと手にしてこなかったからといって「試してみたい」という動機で手を出す段階ではもうないと思っていて、素材については一旦フラットで考えたいと思っています。
最終的にグレインレザーに落ち着くとしても、その種類は多種多様。更に型押しも選択肢に加えるとなると、それらの素材の中からイメージに合うモノを選び出すためには、自分の中に情報も知識もまだまだ全然足りていませんから。
一方で、今まで以上に自分の好きなモノだけを身に着けたいという考えは今も変わらず強くあって、自分が履きたい靴、履きたくなる靴、履きやすい靴とは何か、ということを毎日のようにぐるぐると考えを巡らせています。
実は今後履く靴をもっと絞っていきたいという思いが反映しています。「あの服にはこの靴を合わせよう」なんて風にコーディネートを楽しむことにずいぶん前から飽き始めていて。
それよりもむしろ、人に与えられた時間は限られているのだから、できる限り自分が気に入った最良の物だけを常に身に着けていたいという考え方に変わってきています。公平に万遍なく・・・から、気に入ったモノは贔屓したっていいじゃない?という考え方への変化。
だから、シーンを選ばず、どんな時も履ける、将来自分のアイコンになるような一足が欲しくて。
欲しいモノ、憧れのモノ、本当に必要なモノ【欲しい物リスト】 より
「飽き性の自分が飽ることのないデザインとは?」
「シーンを問わず四六時中履くことのできる靴とは?」
「ストラップシューズやローファーはどうか?」
「グレインレザーではなく型押しはどうだろう?」など
次々に浮かぶそんな疑問を自問自答しながら、答えを一つずつ絞り出して潰していく作業。それは楽しくも難しく、これら質問に対する回答の最大公約数になるような靴を最終的に浮かび上がらせようと苦心しています。
さて、少し先のことではありますが、Boleroの靴の里帰りとSewn Shoe-makerへの訪問の日程が6月初旬に決定しました。ちょっとした靴を巡る旅になります。
今の段階で悩んでいる中には知識や経験がないために答えが出ていない点も多々あることから、Boleroの渡邊さんには、訪問した際に今構想している考えをぶつけて相談に乗ってもらおうと思います。
2020年2月14日