アンウォッシュドのコーヒー豆を焙煎前に洗うと味はどう変わるのか

フード・スイーツ

コーヒーの焙煎が週末の習慣となりつつあります。週末に1週間分の豆を焙煎し、使い切れなかった豆は追加で少し炒って深煎りにした上で粉にして職場でフレンチプレスして飲み切るという消費サイクルもできてきました。

焙煎は屋外での作業なので雨の日はさすがに無理ですが、比較的風に強いカセットコンロに買い換えてからは天候にさほど左右されず、安定的に焙煎できるようになりました。

昨年から始めたコーヒーの自家焙煎ですが、なかなか思ったようには上手くいきません。一番の原因はカセットコンロ。もうね、自家焙煎を始めてみたらこれまで使ってきたカセットコンロが使えないのなんの。本当に不満だらけ。風には弱いし、火力も長続きしない。カセットコンロには最大発熱量3.0kWとありますが、火力だけ強くても駄目なんだなぁと強く感じました。でもしょうがないのよね。元はと言えば、こたつの上でのんびり土鍋を温めるために買ったモノだから。しかし、コーヒー豆の焙煎においては全く使い物にならず、いい加減イラ...

さて、以前取り寄せたエチオピア産のシダモG4とレケンプティG4、共にアンウォッシュドの生豆ですが、ウォッシュドのイルガチャフィG2と飲み比べた際、奥行きのある複雑な味わいの中に、えぐみや渋みといったマイナスの要素も感じられ、香りも味もはっきりしたイルガチャフィG2をデイリーコーヒーにすると結論付けました。

コーヒーを日常的に嗜むようになり、スパイシーな柑橘系の香りと爽やかな酸味を併せ持つエチオピア産のコーヒー豆が一番自分好みであることは、今や確信となりつつあります。それならば、エチオピア産のコーヒー豆の中でどれが最も自分にとって最適な豆なのか、より深く探究してみたくなりました。前提条件として、あくまでも自分が毎日飲むためのデイリーコーヒーですから、高価で美味しいのは当たり前。値段も手頃で味・香りのバランスが良く、何より自分好みのコーヒーを追求しようかと。そんなわけでまずは下限を試してみることに...

両者の違いはグレードの他に、ウォッシュドかアンウォッシュドかの違いが大きいように感じ、それなら焙煎前にしっかり水洗いをしてから焙煎したらどれくらい味や香りに影響が出るか、ちょっと気になって試してみることに。

先に断っておきますと、乾燥前に果肉を水洗いで落とてしまうウォッシュドと、果肉が付いたまま乾燥させるアンウォッシュドでは乾燥工程が大きく異なり、焙煎前に洗ったところでウォッシュドの豆のようになるとは思えません。

ただ、アンウォッシュドを好む人の中にもコーヒー豆を焙煎前に洗う人が多数いますので、今後アンウォッシュドの豆を焙煎する際どちらが自分にとって好ましいのか、比較検討してみることにしました。

きちんとピックしたつもりだが、水を入れると質量のない死豆が浮かぶ

何度洗うかについては迷いましたが、洗わない状態との差を比較したいので水の色が落ち着くまでしっかり洗ってみることに。水を入れると早速水が茶色く濁り始めました。これは汚れなのか、はたまたコーヒーの旨味成分か・・・。

欠点豆は事前にしっかりピックしたつもりでも水面に浮かぶ豆があったりチャフ(薄皮)がふやけて取れたせいで虫食い豆やカビ豆であることが判明したりと、この段階で見つかる欠点豆が結構あってだいぶ取り除きました。

なお、レケンプティG4の際は水面に浮く豆は少なかったものの、後日シダモG4を洗った際はかなりの豆が水面に浮かびました。虫食い豆等の欠点豆とではないかもしれませんが、質量の違いは焙煎時の焼きムラにつながるので、重さを揃えるという意味で全て撤去しました。

1度目の水洗いで出た色素。汚れ?灰汁?それとも旨味?

何度洗ってもチャフが出続けて切りがないので、お米をとぐ要領で5回ほど洗ったところで、あまり豆をふやかしてもいけないと思い、ザルに上げて水をよく切り、ペーパータオルで水気を拭き取りました。

焙煎中は水洗いをした分、舞うチャフが細かく、早く豆から剥離し、出る量も少なかったですね。チャフの剥離が早いので、豆が焦げるのを減らすことに繋がっています。

一方、しっかり乾かしてから焙煎すれば良かったのですが、生乾きから火にかけたのでいつもより若干時間が掛かりましたが、ハゼの鳴り方はより多くの欠点豆を取り除き、更に豆の質量を整えたおかげできれいに揃って鳴りました。

この時点でも貝殻豆、色の薄い豆、焦げ豆を丁寧にピックします

焙煎は自分の好きな浅煎りで。1回目のハゼが鳴り止んだタイミングでザルに上げて冷まします。エチオピア豆特有のスパイシーな柑橘系の香りが最も感じられる煎り具合です。

これですとお湯を注いでもあまり膨らみませんが、膨らめばいいってもんでもないことは味が教えてくれました。

この時点でも、貝殻豆や焼き色の薄い豆、焦げ豆(豆にチャフがついたまま火がつくと豆が焦げる)も味のムラになるので丁寧にピッキングして取り除きます。ここでも欠点豆ではなくても、焼き具合に両極端な豆は思い切って弾き、焼き色の中央値に寄せていきました。

翌日、一晩寝かせた豆の香りを確認すると、思っていた以上に整った(まとまった)香り。ミルで粉に挽いてみるとスパイシーな香りが良く立ち、それまではさほど期待していませんでしたが、「これは効果があったかも・・・!」と一気に期待が高まりました。

飲んだ瞬間に感じる口当たりの良さはこれまでとは明らかに違う感覚。えぐみや渋みは取れて甘さと心地良い酸味がくっきりした印象で、スッキリと飲みやすくなりました。

洗ったことで雑味が取れた、というよりは、水洗いをすることでチャフが取れて虫食い豆やカビ豆(緑がかった豆)などの欠点豆がしっかり取り除くことに繋がり、回り回って結果的に味や香りにも反映しているように思います。

また、水をくぐらせて水面に浮かんだ質量の軽い豆を思い切って弾くことで、豆が揃い、ひいては焼きムラもなくなり、味や香りのまとまりに繋がったようです。

手間は掛かりますが、香りも味もクリアに立つので、個人的には焙煎前に一度しっかり洗った方がずっと良かったですね。それだけの価値は十分あると思います。特に豆のグレードが低く、欠点豆が多いならなおさら効果が大きいように感じます。

焙煎一つとっても実に奥深いモノです。当面興味が尽きることはなさそうです。

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