ビスポークしたボレロの2足の靴たち。オンとオフ、自分が理想とする姿を重ね合わせて
時間が無いからと言い訳していても仕方がない。いくら言い訳したところで靴が磨けないとストレスも溜まる一方なのだから。全部いっぺんにやろうとするからしんどくなる。どこで折り合いをつけるか、何を優先すべきか、その取捨選択が今は求められている・・・。
とまぁ、日常のルーティーンも順調に回せているうちは心地良く、生活のリズムに好循環を生むのですが、一旦滞り始めると玉突き事故のように次々クラッシュし途端に息苦しくなりますね。全部をいっぺんに解決しようとしようにも絡まった釣り糸のようで絶望感しかなく、全てを諦めたくなったり。
そんな時にはとにかく一部だけでも手始めに始めてみること。排水溝のように詰まりの原因を一部でも取り除けば、結構流れていくこともままあって、そうすることでポジティブなれて意外と波に乗れたりするんですよね(過去、そんな経験の繰り返し・・・)。
そんなわけで靴磨き。履きっぱなしの靴が溜まっています。もう「ごめん」というしかない状況。「はぁ・・・」と溜息つきたくなるところを飲み込んで、まずは突破口を切り開くべく手始めに特別大切な2足を磨きました。
Bolero(ボレロ)でビスポークした2足の靴。ストイックなプレーントゥと、理想を全部詰め込んだ3アイレットUチップ。全くと言って良いほど対照的な2足ですが、どちらも自分らしさが色濃く反映した靴で、抱いて寝たいくらい大好きな靴です。
(ボレロのブログでもご紹介いただきました!)
ビスポークのオーダーから出来上がるまでの過程も楽しいですが、やはりレディーメイドの靴とは別格の履き心地で、履くたびにビスポークの醍醐味はこのフィッティングであり、履き心地であることを実感します。履いていてこんなに嬉しくなる靴なんて作らない限りないですから。
この2足を履くたびに「靴好きで良かったな」と思います。ブログを始めて、そのつながりからますます靴にのめり込み、様々な巡り合わせからオーダーするに至ったこの2足の靴。
それまでに様々な靴と巡り合い、管理や手入れを失敗してひどい目に遭わせたり、血迷って手放したり、そうした経験を踏まえた上でオーダーした靴にはこれまでの経験が凝縮されているようにも思えます。
そして、合理的でストイックな面を持つプレーントゥと、好奇心旺盛でアクティブな面を持つ3アイレットUチップ、どちらも自分が理想とするオンとオフの姿勢をそれぞれ映し出しているよう。これまでの人生の落とし子、とさえ思っています。
滑らせて落としてしまいそうになるくらいキメの細かいワインハイマー社のボックスカーフと、味わい深いアノネイ社のピングレインレザー、どちらも磨くほどに魅力を感じる革で、時に面倒臭いと感じる靴磨きも、いざ磨き始めると今度は磨くために早く履きたいと思えるほどイイ革。イイ革は自然と好循環が産まれますね。
この靴たちのエイジングする姿が早く見たい。その頃には自分も結構な齢を取り、このブログも続いているかはわかりませんが、きっと死ぬまで自慢しながら履き続けているでしょう。そういう靴を所有できたこと、そして当時オーダーを決断したことは、自分の人生において最も賢明な判断の1つであったと思うはずです。
TAGS: Bolero | 2021年4月13日