【投資】リスクシナリオを考慮した銘柄整理。繋がった不安の原因とバリュートラップの関係。
4月も第3木曜日を迎え、株の売買日となりました。
最近はずっと保有銘柄のリスクシナリオを想像し、保有し続けるか否かを検討しています。これまではアナリストの業績見通しを参考に、今後の持続的成長性を投資の判断材料にしてきましたが、それはあくまでも数字のみのあくまで見通しであり、潜在するリスクについては織り込まれていません。
投資をする場合は、ワイドモート(参入障壁が高い)で収益性が高いこと、独占的または競合がいてもリーダー銘柄であることが銘柄選定の条件でしたが、今回ここにリスクシナリオを考え、大きなリスクを感じたら除外することを付け加えました。
これまでは機械的に数字だけの判断で良かったものが、自らリスクシナリオを考察・検証し、たとえ良い銘柄であっても除外しなければならない工程が加わることになりました。
この新たな検討過程で気づいたことは、たとえ収益性の高い銘柄であっても潜在的なリスクを抱えている銘柄は株価が低迷しているということ。逆に、リスクシナリオを考慮して銘柄選定をすれば、いわゆる「バリュートラップ」を回避できるのではないかと考えています。
さて、前段が長くなりましたが、今回は2銘柄を売却しました。売却したのは、台湾セミコンダクター(TSM)とペイパル(PYPL)です。
どちらも営業利益率が高く、アナリストの業績見通しもカンファレンスコールの内容も良好ですが、株価はイマイチパッとせず、大きな含み損を抱えていました。下がるたびに買い増しをしていたので、いわゆるバリュートラップにはまった銘柄でもあります。
この2銘柄については、保有しながらこれまでずっと漠然とした不安を感じていましたが、収益性が高く、長期保有すべき銘柄であり、EPSは今後も伸びる見通しなのだから売る必要はない、と自分に言い聞かせていました。業績が悪化すれば処分しますが、そうでないのに売るべきではないと。
しかし、今回リスクシナリオを考えた際、TSMには地政学的リスクの高まり(中国による台湾侵攻リスク)があり、PYPLにはフィンテックの更なるレッド・オーシャン化(アップル等大手の相次ぐ参入)という問題を抱えています。
地政学的リスクや業界内の動向は、たとえその企業がどんなに優良かつ健全な企業であり、先々の業績見通しが明るくとも、これらのリスクは各企業の努力に関係なく、壊滅的な影響を及ぼしかねません。
このリスクシナリオを検証することを通じて、これまで感じていた漠然とした不安の正体が明確になり、それが株価低迷の要因であり、またバリュートラップの原因でもあること。これらの点と点が線で結びついて一気に腑に落ちた感覚でいます。
一方、購入したのはディアー(DE)、イーライ・リリー(LLY)、ホーム・デポ(HD)の3銘柄となります。割安感からDE、成長性からLLY、コア銘柄10種(コア10)最下位のHDをそれぞれ買い増しした格好です。DEは今月からポートフォリオに加えています。
特にDEはシクリカル株で、これまで大きく上昇してきただけに株価がグズついていますが、食糧不足問題がさらに深刻化するであろう未来を想像すると、農業関連はDXを取り入れながら更に広がりを見せると感じ、明るい見通しを持っています。
HDは、今回の買い増しで最下位から第7位まで挽回しました。最下位は再びハネウェル・インターナショナル(HON)。ユニオン・パシフィック(UNP)もパッとしませんね。まずは、コア10全銘柄の目標値クリアを目指します。
LLYは数少ないA評価の銘柄であり、かつコア10であるジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の代替候補銘柄であることから、優先的に投資を行い保有割合を高めています。同じくA評価かつコア10代替候補銘柄となっているのは、HDの代替候補となっているコストコ(COST)があります。