【投資】台湾セミコンダクター(TSM)の打診買いとビーネックス(2154)の売却
昨年から資産整理を進め、だいぶ片付いてきましたが、2021年も継続して断捨離を実施しています。
コロナ禍で浮き彫りになった不要な資産クラスの処分や、邪な動機や軽率な判断で買い、玉石混淆となったポートフォリオから不要な石を取り除く作業。
「断捨離」と称した、いわゆる損切りですが、歯槽膿漏の歯茎の如くこれまでかなりの血(お金・損失)を流して、最近になりようやく引き締まってきた感があります。
昨年から持ち越しになっていた、日本株・先進国債券・REITの売却は、日本株の処分を除いては大方完了しました。今後は日本株の上昇のタイミングをとらえて適宜売却していく方針です。
ビーネックスグループ(2154)を売却
さて、今回は日本株整理の一環として、人材派遣大手のビーネックスグループ(2154)を売却しました。多分に漏れず今回も「断捨離」と称した損切りです(苦笑)。
しかも損益通算できないNISAで買った株。NISAで買った株はことごとく大失敗しており、全く目も当てられません。
同社は1月末に同業の夢真ホールディングス(2362)との合併を発表しており、4月から「夢真ビーネックスグループ」となる予定。ビーネックスが存続会社になるので、そのまま保有することもできますが、今や保有し続けるメリットを感じなかったので処分しました。
長期的なトレンドとなりそうな半導体需要を取り込むべく選んだTSM
一方、今回購入したのは半導体製造大手の台湾セミコンダクター(TSM)。米国上場のADRです。ADRは中国株で痛い目に遭っていますが、米国と台湾は同盟関係にありますし、まぁ大丈夫だろうと。
半導体についてはコロナ禍でデータセンター向けやゲーム機向けなどを中心に需要が急増。一部では自動車向け半導体が足りずに自動車の減産が報じられるなどひっ迫しています。
これまでは各社の半導体に違いが見出せず、半導体はいずれコモディティー化していくのでは、と考えていたのですが、半導体について調べながら「2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ」などの書籍も読む中で、半導体需要はコロナ後に短期的な調整が入ったとしても、長期的なトレンドとしては今後益々需要旺盛だろうと結論付けました。
レッドオーシャンの半導体株の中でTSMCを選んだ理由
当初はアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の購入を考えていましたが、CPUはインテル(INTC)、GPUはエヌビディア(NVDA)と技術競争が激しく、レッドオーシャンであることを考えると、多少の技術優位性があってもいずれは差が詰まっていくでしょう。
AMDはTSMCに製品製造をOEMしていますが、自前製造を強みにしていたインテルも今後はOEMの可能性を示唆しており、もしTSMCがこれを引き受けるとAMD製品の生産にしわ寄せがいきかねず、AMDの業績に影響が出る可能性もあるのではないかと推察。
では、逆にTSMCはどうか。
TSMCは、多くの企業の半導体製造を一手に請け負う製造専業メーカーですが、各社のOEMを引き受けるだけの高い技術力があり、また半導体製造には多額の設備投資費用が掛かりますが(だから半導体はOEMが多い)、TSMCの企業規模なら設備投資の費用負担をこなすことができるため、今後益々製造受託の引き合いが増えていくのでは、と考えています。
購入のタイミングとしては微妙、下げれば買い増すつもりで
新型コロナウイルスの蔓延により、半導体需要は急増し、既に昨年から株価は大幅に上昇、1月も一段高となった上に、ここにきてドル高に振れ、タイミングにはあまり良いとは言えませんが、上記のような長期的な展望で見ればこの株価の振れ幅も誤差の範囲だろうと購入に踏み切りました。
とは言え、高値掴みは怖いのでまずは投資余力の半分で打診買い。今後株価が下げれば買い増しするつもりです。
TSMCへの投資の副次的効果
半導体株は無配株が多い中にあって、TSMCは配当も出しています。配当目当てではないのでさほど期待はしていませんが、無配よりは多少でも配当があると長期的に保持していられます。
また、台湾企業ということで、インデックスファンドなどには新興国株に組み入れられており、1月に中国株を売却して大きく凹んでしまった新興国株クラスをTSMCの購入により底上げする形になりました。
アセットアロケーション基づく資産運用自体は中断しており、現在は米国株中心の投資に注力していますが、今後もTSMCを買い進めれば新興国株の底上げにも繋がるので、カントリーリスクの分散効果が見込めます。
投資の最終判断は「出口を考えずに済む長期的な展望が思い描けるか」
時世の波に乗ったテーマ株は出口(売却)を考えなければいけないので、売りが苦手な自分には手を出しづらいのですが、TSMCについては今後も長期的に半導体需要の上昇トレンドが続くと考えると、当面売却を考える必要もなく、投資しないデメリットの方が大きいと判断しました。
昨年から始めた資産整理についても一貫して、その企業の長期的展望が想像できるかを基準に判断を下してきました。
2月は下げ相場と言われています。アノマリー通りに株価の調整があるか気になるところですが、下がるならばそのたびに買い増しをして、自ら選りすぐった銘柄の保有株数をコツコツ愚直に増やしていきます。